日本ヒューレット・パッカード(HPE)は6月15日、1月に買収したSimpliVityのハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品「HPE SimpliVity 380」を発表した。同社は新製品を「次世代HCI」と位置付け、オンプレミスのインフラ統合ニーズに対応すると表明した。
HPE SimpliVity 380
SimpliVityは、HPEのProLiantサーバなどをベースに、独自のFPGAハードウェアアクセラレータやソフトウェアを組み合わせたHCI製品を手掛けていた新興企業。高集積ハードウェアや高速なデータ重複排除/圧縮、バックアップ/リストア機能が特徴で、HPEは同社の掲げる「ハイブリッドIT戦略」の強化を目的に、SimpliVityを買収した。
HPE データセンター・ハイブリッドクラウド製品統括本部長の本田昌和氏は、「HCI市場で先進的なSimpliVityが加わり、ITインフラを容易に構築、運用できるようになる。従来のHCIでは難しかったデータの保護を評価するユーザーが多い」と話す。
HPE SimpliVity 380は、ProLiant GL 380サーバやオールフラッシュストレージ、VMware vSphere、WAN高速化、バックアップ/リストアなどのハードウェアとソフトウェアを最小2ノード・4Uサイズの構成に統合した。最小構成(ストレージ1.92TB SSD×5)の販売価格は677万7000円で、大規模向け(同×12)までの3モデルをラインアップする。
従来型HCIとの差別化を図るというSimpliVityのアクセラレータカード
アクセラレータカードの特徴
機器点数は2015年頃のHCI製品に比べて10分の1程度にまで削減される一方、SimpliVity 380のデータの重複排除/圧縮の効果は、一般的なHCI製品が平均30%程度なのに対して同60~70%になるという。1TBほどの仮想マシンも1分程度でバックアップできるとし、数百MBほどの仮想マシンを10分おきにバックアップするような運用を実現すると説明している。