セールスフォース、「Einstein Analytics」発表--AIで高度なアナリティクス提供 - 2/3

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-06-16 11:08

 Salesforce.comは米国時間6月15日、「Einstein Analytics」をローンチしたと発表した。Einstein Analyticsは同社のセールスやサービス、マーケティング向けクラウドに予測機能を埋め込むためのツール群だ。新しいEinstein Discoveryによって、膨大なデータの組み合わせを自動的に分析し、予測的な洞察を提示できるという。Einstein Discoveryはアクショナブルなデータと「ストーリー」を提供する製品で、最近買収したBeyondCoreのテクノロジを活用している。

 Einstein Discoveryの責任者であるArijit Sengupta氏によると、これらのツールは、企業幹部らの手に人工知能(AI)をもたらすとともに、データ科学者の求めに応じて基盤となるデータモデルを提供するようになっているという。

 Einstein Discoveryはさまざまな面で、Sengupta氏率いるBeyondCoreがSalesforceによって買収される前から目指していたことを実現する製品だ。Sengupta氏は当時、企業幹部らがベンダーのうたい文句や、製品を額面通りに受け入れ、企業運営に反映してしまう可能性を指摘していた。

 同氏は、「かつてないほどの量の顧客データが利用可能になっているため、われわれはAIを用いることで、そのデータを企業ユーザーにとって行動可能なものへと変える必要がある」と述べるとともに、「企業ユーザーは何らかのものごとが発生した理由を知りたいと望んでおり、ストーリーのかたちでそれを説明してほしいと考えている」と述べている。

 そういったストーリーを紡ぎ出すうえで、「PowerPoint」にエクスポート可能な、既に作成された図表や予測、レコメンデーションが用意されている。企業幹部らはEinstein Discoveryを用いることで、違いをもたらすパラメータのみに基づいた独自のモデルを作成できるようになる。Sengupta氏は「Einstein Discoveryは、AIとデータ科学を企業ユーザーにもたらす方法という点で新たな段階に達している」と述べている。

 要点は以下の通りだ。

  • Einstein Analyticsによって、コンテキストに応じたかたちで動作する、セルフサービス型のアナリティクスアプリのポートフォリオがSalesforceプラットフォーム全般で利用可能となる。
  • アナリティクスアプリの設計機能や、ビジュアルなかたちでのデータの準備機能、外部データコネクタといったものを用いることで、顧客は自らのアナリティクスアプリを構築、カスタマイズできるようになる。
  • Einstein Discoveryによって、行動に向けたレコメンデーションを得るための、要点をまとめたビジュアルなスライドが自動的に生成される。
  • Salesforceの学習プラットフォームである「Trailhead」では、Einsteinによるアナリティクス向けとして12のオンライン学習モジュールが提供されている。
  • 「Sales Analytics」と「Service Analytics」は一般提供が開始されており、その価格は1ユーザーあたり月額75ドルからとなっている。また「B2B Marketing Analytics」も一般提供が開始されており、最大5人のユーザーが月額300ドルで利用できる。
  • Einstein Discoveryは一般提供が開始されており、価格は1ユーザーあたり月額75ドルとなっている。
  • 「Custom Einstein Analytics Apps」は、1ユーザーあたり月額150ドルで利用可能となっている。
  • Einstein Analyticsアプリケーションは、Salesforceのクラウドとともに特定業界をサポートしており、今後数カ月のうちに展開される予定だ。なおEinstein Analyticsアプリは、Salesforceのコア(中核)クラウドに対するアドオンのかたちで利用可能となる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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