マーケターたちは、顧客にリーチするためにより多くのチャネルを利用するとともに、人工知能(AI)の活用戦略を検討したり、確固たる成果の達成を目指し、新たなテクノロジによって電子メールを活用しようとしている。
提供:Salesforce.com
これはSalesforce.comが実施した調査によって浮き彫りにされた結論だ。また、幹部らは同社のニューヨークオフィスにおいて、顧客とともにこの結論を検証した。
この調査は「State of Marketing」(マーケティングの現状)としてレポートにまとめられている。今回で4度目となるこの年次レポートは、米国と英国/アイルランド、カナダ、ブラジル、ドイツ、フランス、日本、オランダ、オーストラリア/ニュージーランドのマーケティングプロフェッショナル3500人に対する調査に基づいている。調査対象はSalesforceの顧客となっているが、導き出された結果はより広範なマーケティング分野のプロフェッショナルにも当てはまるはずだ。
要点は以下の通りだ。
#1:AIの使用は「軽度から中度」となっている
Salesforceのレポートには51%のマーケターが既にAIを活用していると記されている。とは言うものの、教育機関に対する教材の寄付を推進する団体であるDonorsChoose.orgの最高マーケティング責任者(CMO)Katie Bisbee氏は、同団体のAI利用が軽度から中度に相当していると述べている。また、機械学習はキャンペーンの類似度を定量化するために使用されているが、Salesforceの調査からはAIがどういったかたちで利用されているのかという詳細までは分からない。Bisbee氏は、AIによるモデルやアルゴリズムの作成については、信頼という面である種の問題があると述べるとともに、人間はものごとを自らの目で監督したいのだと述べている。しかし同氏は、「Eコマースと社会奉仕の境界が曖昧になるなか、パーソナライズはあって当然と見なされるようになるだろう」と述べている。
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#2:AIはメディアの分断化とチャネルのスプローリングを管理するうえで必要となる
Salesforceの最高戦略責任者(CSO)Jon Suarez-Davis氏は、メディアはチャネルの多様化によって、そしてIoTやコネクテッドデバイスの進歩によって、かつてないほど分断化されてきていると述べている。パーソナライズと、さまざまなデータベースの統合にとって、データ市場は重要となるはずだ。こういったことすべては間違いないとはいえ、SalesforceやAdobe Systems、Oracle、IBMといった主要マーケティングベンダーすべての望みは、データマーケットプレイスやスタックを顧客が単一のもので標準化してくれることだという点は述べておきたい。
各チャネルを利用している(橙)、または今後12カ月の間に利用する計画がある(青)マーケティングリーダーの比率
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