Hewlett Packard Enterprise(HPE)は米国時間6月19日、大規模並列処理や人工知能(AI)関連のタスクに最適化した新たなハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)システムを7月から世界各国で販売すると発表した。
「HPE Apollo 6000 Gen10 System」と「HPE SGI 8600 System」「HPE Apollo 10 Series」は、大量のデータを処理する必要がある研究組織や、国家安全保障機関を念頭に置いた製品となっている。
HPE SGI 8600 Systemはペタスケールの液冷システムであり、実績ある「SGI ICE XA」アーキテクチャに基づいている。HPEによると、同システムは科学やエンジニアリング、国家安全保障に関連する非常に複雑な課題の解決に向けたものとなっているという。同システムは追加のスイッチを必要とすることなく、1万ノード以上にまで拡張可能だ。
HPE Apollo 6000 Gen10 SystemはHPEの最新プラットフォームであり、再設計によって1ラックあたり300テラFLOPSを超える処理性能とともに、高いラックスケール効率、より優れたコストパフォーマンスを実現している。こうした改良は、レイテンシの低減や入出力処理(IOP)性能の向上とともに、消費電力や冷却要件を低減したことで達成されている。
また同システムは、HPEが「Silicon root of trust」(シリコンに根ざした信頼性)と呼んでいる設計を採用している。この設計によって、システムに統合されたカスタムハードウェアチップに刻み込まれたフィンガープリントと一致しないファームウェアからの起動が抑止されるようになる。
HPE Apollo 10 Seriesは、エントリレベルの深層学習や、その他のAIアプリケーションに向けて最適化されており、管理や配備が比較的容易になるよう設計されている。
同シリーズの「HPE Apollo sx40 System」は、Intelの「Xeon Gen10」を搭載した1Uデュアルソケット型のサーバであり、「NVIDIA NVLink」経由で最大4基の「Tesla」GPU(SXM2)をサポートする。一方、「HPE Apollo pc40 System」もIntelのXeon Gen10を搭載した1Uデュアルソケット型のサーバだが、こちらは最大4基のPCIe GPUカードをサポートする。
これら新システム以外のニュースとして、HPEは「Performance Software Suite」のアップグレードも発表している。これにより、HPCシステムのプロビジョニングや管理、最適化、監視に向けたさまざまなユーティリティが提供される。
またHPEは15日、米国エネルギー省が推進するエクサスケールのスーパーコンピュータを開発するプロジェクトである「PathForward」の参加企業に選出された。これによりHPEは、同社が「The Machine」と呼ぶスーパーコンピュータの開発を継続することになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。