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セキュリティの懸念高まる産業用制御機器
日本株展望

中国がロボット爆買い--設備投資関連株に注目

ZDNet Japan Staff

2017-06-21 10:43

今日のポイント

  1. 中国で産業用ロボット需要が拡大。人件費高騰で、省力化投資が伸びる局面に
  2. 中国需要の増加を受け、産業用ロボット・工作機械など日本の設備投資関連株の受注が増加。短期的な投資機会となる可能性がある

 これら2点について楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

中国の爆買いで、日本製の産業用ロボットが過去最高へ

 日本ロボット工業会の見通しによると、2017年の産業用ロボット出荷額が前年比7%増の7500億円と過去最高になる。

産業用ロボット出荷額:2003~2016年(実績)、2017年(予想)


出所:日本ロボット工業会、2017年は同工業会予想

 中国向け輸出が拡大している。中国では、人件費上昇を受けて、自動化・省力化投資が急拡大している。世界トップとなったスマートフォンや、自動車・通信関連で、投資が伸びている。

 中国向けが牽引する形で、日本の産業用ロボット出荷指数は、2017年に入ってから伸びが加速している。

鉱工業出荷指数(産業用ロボット):2012年1月~2017年4月


出所:経済産業省、基準年2010年=100とした指数

 日本の産業用ロボット・メーカーは、ロボット需要が世界的に拡大していることを受けて、日本および中国で、ロボットの増産投資を行う。ファナックは、国内で約600億円かけて増産投資を行う。安川電機は、中国工場などで増産対応し、月産3000台の生産能力を2019年までに5000台に拡大する方針だ。

 産業用ロボットは、一時成長が止まっていた。世界的に製造業の能力過剰が広がり、モノの値段が上がりにくくなったことが原因である。ところが、中国で産業用ロボットへの投資が拡大していることを受けて、再び成長力を取り戻しつつある。

サービス・ロボットばかり注目されていたが、久々に産業用ロボットに脚光

 20世紀は、「モノ」の豊かさを求めて、人類が努力した時代だった。良質なモノをいち早く大量生産する企業が、成長企業となった。そうした中、20世紀の終盤に産業用ロボットが急成長した。高品質の製品を安価に量産できる技術が威力を発揮し、自動車や機械の量産技術が一気に拡大した。

 ところが21世紀に入り、製造業は軒並み能力過剰となった。大量生産技術が高度に発達したために、モノは一時的に不足しても、すぐ量産されて供給過剰となる。特に中国が参入して、採算度外視で競争する分野では、価格破壊が止まらなくなった。欧米では、供給過剰で赤字になると生産が減るのが普通だ。ところが、中国などアジア企業が入ってくると、全社が赤字になっても増産競争を止めないという「アジア的競争」に陥った。中国企業が参入すると、モノを量産することで成長する製造業のビジネスモデルが破壊されるようになった。

 こうした背景もあり、産業用ロボットの成長が一時止まった。産業ロボットは成熟し、もうあまり伸びないと言われた時期もあった。代わって不足するものが、良質なサービスだった。人手をかけないと供給できない良質なサービスは、恒常的に不足するようになった。21世紀は、良質なサービスの大量供給に道を開くITサービスや、サービス・ロボットの開発に注目が集まった。

 まだ本格的な実用化は始まっていないが、介護ロボットや警備ロボットなど、人間に代わってサービスを提供するサービス・ロボットが、これから成長すると考えられていた。

 ところが今、改めて産業用ロボットにも脚光が当たるようになっている。中国が産業用ロボットを爆買いするようになってきたからだ。中国でも人件費が上昇し、省力化投資が待ったなしになってきたことが影響している。

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