日本株展望

ROEより利益率が大切--利益率二桁の銘柄

ZDNet Japan Staff 2017年06月22日 12時25分

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今日のポイント

  1. 世界的な半導体ブームが続いている。増益モメンタムの強い半導体セクタに一定の組み入れを維持したい。ただし、半導体産業は浮き沈みが激しく、突然ブームが終わることもあり要注意
  2. 東芝は投資対象としてのリスクが極めて高い

 これら2点について楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

本レポートでコメントする銘柄:東証一部上場12月決算、営業利益率12%以上から選んだ6銘柄


出所:配当利回り・営業利益率は2017年12月期会社予想ベース、トレンドマイクロのみ楽天証券予想

営業利益率の高い銘柄を重視する理由

 今日は、12月決算で予想配当利回り2%以上、営業利益率12%以上の銘柄から投資の参考銘柄を紹介した。

 窪田氏は25年間、日本株のファンドマネージャーをやってきて、東証株価指数を大きく上回るパフォーマンスを得たが、銘柄を選別する時、営業利益率をよく見ていた。営業利益率は、長期投資する銘柄を選ぶ際に、とても重要な指標の1つと考えている。

 世間では、自己資本利益率(ROE)を重視して銘柄を選別するのがはやっている。ROEの高さも、重要な指標の1つには違いないが、営業利益率の方がはるかに重要だと思っている。銘柄選別において、ROEを話題にする人が多い割りに、営業利益率を話題にする人が少ないのを不思議に思っている。

 ROEの話をすると複雑になり過ぎるので、今日は営業利益率の大切さだけを解説する。一言で言うと、営業利益率には、会社がやっているビジネスの競争力が表れる。営業利益率の高い会社には、差別化された製品またはサービスがあり、業界シェアが高い場合が多いと言える。逆に、営業利益率の低い会社は、差別化できていない分野で、過当競争に陥っている場合が多いと言える。

営業利益率は、安定的に高いことが望ましい

 日本では、一般的には営業利益率が10%以上あれば高い方と言える。ただし、営業利益率は業種によって水準が異なるので、何%以上あると競争力が高いと単純に言うことはできない。一時的に利益率が高くなっているだけの銘柄は評価できない。

 景気敏感業種(鉄鋼や半導体製造装置など)には、好況時に利益率が極めて高くなるが、不況時に赤字になる銘柄もある。そういう銘柄は、好況時の利益率が高くても評価はできない。

 不況になっても高い利益率を維持できる銘柄も多数ある。NTTドコモ(9437)や東京ディズニー・リゾートを運営しているOLC(4661)のように、不況時でも高い利益率を維持できる会社は独占的な地位を有し、競争力が高い銘柄と言うことができる。

 今日は、12月決算から選んだ銘柄を紹介した。6月に中間決算を迎える銘柄である。冒頭の表にあげた銘柄の内、トレンドマイクロと東計電算は現時点で中間配当を出す予定がないが、それ以外は6月27日までに購入すると、6月中間決算の配当金を受け取る権利が得られる。

冒頭で紹介した銘柄についてのコメント

 営業利益率の高い会社には、何かキラリと光るものがあると言える。

(1)日本たばこ産業

 日本で喫煙者が減少していることが不安材料となっているが、タバコは認可を受けた企業だけができる独占的事業であり、高い利益率が得られる。独占的な事業では、一方的に値上げを宣告すると社会的な批判を受けることが多いのだが、タバコだけはその例外になっている。喫煙者が減少する中、値上げを続けることで高い利益を維持してきている。さらに、海外で積極的にM&Aを実施し、海外で利益を成長させていることが投資魅力になっている。最近の話題として、電子タバコで出遅れ、国内で外資にシェアを奪われていることが不安材料となっている。将来、煙の出ない電子タバコが主流になる可能性が高く、この分野での巻き返しが待たれるところだ。

(2)トレンドマイクロ

 インターネットのセキュリティ対策でリーダー的企業。「ウイルスバスター」など販売。個人向けは競争が激化して成長が頭打ちだが、最近、法人向け事業が大きく伸び始めた。2017年12月期の営業利益(会社予想)は、前期比9%増の375億円と最高益を更新する見込み。

(3)東計電産

 クラウドサービスが成長期に入っている。2017年12月期の営業利益(会社予想)は、前期比10%増の26.6億円と、最高益を更新する見込み。

(4)ツバキナカシマ

 ボールベアリング用の鋼球で高い技術力を有する。

(5)クラレ

 ニッチ商品を次々と生み出し、成長させてきた。

(6)ブリヂストン

 タイヤで世界首位。米国で高いブランド力を持ち、高収益を上げている。中国製の安価なタイヤとの競争があるが、同社タイヤは安全性と耐久性で信頼が高く、値崩れが起こりにくい。新車用タイヤは利益率が低いが更新タイヤが利益率が高い。更新タイヤは、好不況の影響が相対的に小さく安定している。世界全体の自動車保有台数が伸びているので、更新タイヤの利益が安定的に伸びている。為替や原料(天然ゴム)価格の変動の影響を受けて大きく増減益することはあるが、長い目で見れば安定的に高収益を稼ぐ体質。

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