海外コメンタリー

ビジネスインテリジェンス市場はどれほど成熟しているか--今後を占う - (page 2)

Boris Evelson Forrester Research 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-06-23 06:30

 3.今後3~5年で、組み込み型BIは、アジャイルBIを包含するようになる。以前のBI環境は、主に機動的な対応を必要としない技術のプロフェッショナルによって主導されていた。一方アジャイルBIは、主に自前でBIコンテンツを作成し、自分でデータの探索や分析を行うエンドユーザーによって主導され、正しい方向への一歩を踏み出した。アジャイルBIは戦略的な知見の獲得や、意思決定や、アクションの実行のためには今後も重要な存在であり続けるだろうが、定常的な業務や戦術的なワークフローを扱えるだけの拡張性はない。情報労働者はすでに忙しすぎて、知見を得るための作業を1日何度も、あるいは1時間に何度も行うだけの時間を取ることができない。新しいデータソースに接続し、データモデルを構築し、意思決定の内容に合わせてチューニングし、何度もクリックして疑問に対する回答を見つけるという作業は、単純に手間がかかりすぎる。Forrester Researchは今後3~5年で、文脈に基づく、アクション可能な、処方的な知見を得られる組み込み型BIが、業務上あるいは戦術的な知見を得るための新たな常識になると予想している。

 今後5~10年で、多くの独立系BI事業者が、大手企業に吸収されるか、特定の業界やビジネス領域に特化したソリューションに移行するか、倒産する可能性もある。企業は、今ある機能に基づいてBIプラットフォームを選択することに力を使うよりも、新たに登場しつつあるテクノロジの評価に投資しすべきだ。

 本稿の著者であるBoris Evelsonは、Forrester Researchのバイスプレジデント兼プリンシパルアナリストを務めている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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