Interop2017

なぜ「マストドン」は生まれた?--開発者が語る過去、現在、未来 - (page 4)

吉澤亨史

2017-06-27 07:00

気になるマストドンの今後

 現在、多くの国の人々がマストドンに関わっている。状況について池澤氏が聞くと、Rochko氏は「とても感謝しています。ディストリビューターにも開発に参加していただいていることで、私から開発の負担を取り除いてくれていますし、私には思いつかないようなすてきなアイデアを提供いただけます。4カ国の翻訳版も各国のみなさんに作っていただきました。こうした協力によって、マストドンの使い勝手が向上することはすばらしいことです」と答えた。

 その上でRochko氏は、非常に大きなユーザーベースになると、変更が困難になるものの、マストドンのコードは十分に柔軟であり、新しい環境にも対応していけると説明する。「新しいニーズや要件にも対応していけるので、問題はないと考えています」と加えた。

 鷲北氏は、現状のマストドンはアップデートが難しいと指摘し、今後もコードの改良を続けてほしいと要望した。Rochko氏はこれに陳謝し、「過去の幾つかのリリースは多くの機能を提供するアップデートなので重いものでした。それらは本当に必要な機能であり、マストドンはより良くなりました」とした。

 マストドンの今後については、「次のリリースに向けてユーザーインタフェースの向上や、全体の管理性の向上、プロトコルの安定性の改善、そしてバグフィックスも用意しています。もっと先の話では、プロトコルの追加を考えています」(Rochko氏)という。

 Rochko氏によれば、「アクティビティハブ」という新しい技術を実装し、シングルサインオンにも対応するほか、パフォーマンスを向上させていく考えだ。「これにより、使い勝手も管理性も向上します。また、マストドンの将来の計画を立てるために、今後3カ月くらいの間にロードマップを出していきます」とした。

 最後に、池澤氏の「日本のマストドンユーザーや開発者にメッセージをお願いします」という呼びかけにRochko氏は、「マストドンを使っていただいて、トリビューションしてくださって、本当に感謝していますし、幸いに思っています。こんなに幅広い方々に支持をいただき採用していただいて、フリーなオープンソースのソフトウェアがより人気を得ていくというのは、うれしいものです。今後もこのような活動を続けていきたいと思います。ありがとうございました」とコメント。拍手のうちに講演は終了した。

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