WannaCryが自らを増殖させるためにウェブへのアクセスを続け、工場やその他の組織に混乱をもたらしているとはいえ、そのコードの素人っぽさは救いとなっている。
WannaCryは、ランサムウェアとしては猛威をふるったとはいえ、その攻撃によって犯人が手にした身代金の額はそう多くない。身代金を支払ったのはごく一部の被害者にとどまり、総額はおよそ14万ドル(Bitcoin価格の高騰により、支払者の数に比して金額は高くなっている)だったという点で、この攻撃は成功とは言い難いものだった。
しかし学ぶべき教訓はある。WannaCryが「Locky」や「Cerber」のような先進的なランサムウェアであれば、今回の大流行はずっと深刻な被害をもたらしていたはずだ。ランサムウェアによっては被害者から大金を巻き上げているものもあり、2016年におけるマルウェア被害の総額は10億ドルを超えるまでになっている。
使用しているOSが旧式であり、ワームに対して脆弱だと認識しているのであれば、その潜在的な影響を真面目に考える必要がある。そして、WannaCryよりもたちの悪いマルウェアが襲ってきた際にどのように悲惨なことが起こるのかを、手遅れになる前に考えておいてほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。