アクセンチュアは、6月23日、「Emerging Technologies in Public Service(行政機関におけるデジタル技術導入)」という調査資料を発表した。
この中で、行政機関がデジタル技術に投資して解決しようとしている課題と、行政機関のリーダーが「最も市民ニーズが高い」と考えている課題の間にはギャップが存在することが明らかになった。
同調査は、日本を含む世界9カ国の行政機関に在籍する約800人の技術担当者を対象にアンケートを実施し、デジタル技術の導入および試験導入の状況をたずねたもの。
行政機関の技術担当者にどのような課題に直面しているかをたずねたところ、特に多かった回答は「市民ニーズに合わせたサービス提供の改善」「組織の目的や目標の変化への対応」「適正なスキルを持つ人材の雇用と人材開発」となった。日本、オーストラリア、シンガポールでは、「サービス提供の改善」がデジタル技術活用における最優先課題に挙げられている。
一方で、市民が望んでいる行政機関に対応に関する課題(不満に思っていること)にはどのようなものがあると思うか、という質問について、回答者は、治安(安全と安心)、各種支援プログラムの財政支援が予測不可能であること、教育/訓練の不足、行政サービスや規制の複雑さ、市民不在の行政サービス策定などが挙げられた。
こうした市民のニーズに対応する方策について、回答者は、「民間企業で成功を収めたソリューションの応用」を挙げている。さらに調査対象のすべての国の行政機関が「官民連携による先端デジタル技術の開発プロジェクト」に強い意欲を示していることも明らかになった。
回答者の4分の3(76%)が「民間企業の成功導入事例を参考にして公共サービスでの連携を計画している」と答えており、「市民ニーズにこたえるため、すでに民間企業の協力を得ている」との回答は3分の2(68%)に上る。また「より良い行政サービス提供に向けて、官民の協力体制と新たなビジネスモデルの採用に意欲を示している」との回答もほぼ同じ割合(66%)となった。