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日本株展望

転換近い?--二極化相場はいつまで続く

ZDNet Japan Staff

2017-06-29 10:25

今日のポイント

  1. 日米で二極化相場が続いてきた。ITやネットサービス、半導体関連などが集中物色され、金融や資源、自動車関連などは割安でも買われにくい状況
  2. 二極化が長期化する可能性と、そろそろ反動が出る可能性の両方をにらんで投資戦略を考える必要がある

 これら2点について楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

いつまで続く? FANG/MANT相場

 28日の日経平均は前日比94円安の2万130円だった。2万円前後でやや膠着感が出ている。この日の物色動向を見ると、これまでの流れと異なる動きが見られた。これまで、割安でも買われなかった金融株(大手銀行)の上昇率が高くなる一方、これまで上昇が続いてきたゲ―ムや半導体、IT関連─―任天堂(7974)、東京エレクトロン(8035)、リクリートHD(6098)など──の下落率が高くなった。

 日本株を動かしているのは、外国人投資家である。日本株の物色動向は、米国株の動向をそのまま反映している。28日の東京市場で、金融株が買われ、ゲーム・半導体・IT関連が売られたのは、27日の米国株がそのような動きだったからだ。

 27日の米国株は、Googleを傘下に置くAlphabetなどITハイテク銘柄が軒並み値を下げていた。Googleが独占禁止法に違反したとして、欧州委員会が巨額の制裁金を科すと決めたことが理由だった。

 GoogleなどITハイテク関連株に物色が集中していることに警戒感が広がっている中で出たニュースだったので、反応が大きくなった。27日の米国株市場では、米長期金利の上昇を受けて、これまで割安でも買われなかった金融株の上昇率が高くなった。

 28日の東京市場の物色は、米国株の動きをそのまま反映したものと言える。ただ、この流れが本日以降も続くかは、現時点でわからない。28日の米国市場でITハイテク株は反発している。

 現在、日米で二極化相場が続いている。米国では、FANG/MANT相場と言われる集中物色が続いてきた。FANGは、Facebook、Amazon、Netflix、Googleの頭文字をとった造語である。MANTは、Microsoft、Apple、NVIDIA、Teslaの頭文字だ。時価総額の大きいITハイテク株に物色が集中し、金融株や資源関連株などは、株価指標で見て割安でも買われない状況が続いてきた。

 日本でも同様の二極化が起こっている。IT・ネット関連・ゲーム・半導体関連株が集中物色され、金融・資源関連・自動車関連・不動産・建設などは、株価指標で見て割安でも買われない展開が続いてきた。

 28日の東京市場では、こうした二極化に対して、逆の動きが出た。ただし、それが続くかまだわからない。日本株は米国株の動向をそのまま反映して動くので、米国でFANG/MANT相場が続くか否かによって、日本株の物色動向も決まると思う。

日経平均のPER14倍は割安と言えるが、PERの低い銘柄は買われにくい

 日経平均の平均“株価収益率(PER)”は現在、約14倍である。

 PERは、株価の割安度を示す最も代表的な株価指標。株価が1株あたり利益の何倍まで買われているか、を示している。倍率が高いほど株価は割高、倍率が低いほど株価は割安と判断される。

 日経平均のPERとは、日経平均採用225銘柄の平均PERのことである。225銘柄の今期予想1株あたり利益(会社予想ベース)から計算する。会社予想利益を公表していない銘柄については、コンセンサス予想を使う。

 最近、日経平均のPERは約14倍だから割安、という意見が聞かれる。10年以上前、平均PERが20倍以上だったことを考えると、確かに14倍は割安と見える。ただし、相場は二極化しており、金融や商社、自動車株などはPERが低くても買われず、買われるのはPERの高い株ばかりという状況が続いていた。

 PERで見て割安な銘柄が再評価されて上昇しないことには、全体のPERを底上げするのは難しくなる。

PERの低いものは低いまま、PERの高いものはさらに高くなる二極化が進行

 個別銘柄を見ると、PERは二極化している。PER10倍前後の低い銘柄は低いまま放置され、PER30~40倍の高い銘柄がさらに買われる二極化が起こっている。

 具体的にいうと、三大割安株(金融・資源関連・自動車)ではPERが低くても株価が買われることがなく、安いままに放置される傾向がある。一方、ITサービス・SNS・IoT・ロボット・AIなどの関連株は人気が集中し、とても高いPER水準まで買われている。

PERが低いままに放置される割安株

PERが低いままに放置される割安株
出所:PER、配当利回りは会社予想ベース、会社予想がない場合は楽天証券予想

PERが高くても株価好調だった成長株

PERが高くても株価好調だった成長株
出所:PER、配当利回りは会社予想ベース、会社予想がない場合は楽天証券予想

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