Seiden氏によると、AWSが巨大な猛獣に成長したのは同社がプラットフォームであるためだという。同氏は「2006年以来、AmazonはAWSを通じてAmazon社外の開発者に対して体系的にサービスを開放してきている。Amazonのやってきたことは実質的に、ビジネス全般におよぶある種のユーザーテストだ。Amazonは、自らのソフトウェアがより広範な市場でどのように機能するのかというフィードバックを直接かつ即座に得ている。誰が使用するのか?どのように?この種のフィードバックによってAmazonは、市場でのテストやベンチマーク、改善に向けた感触を得たうえで対応する能力を獲得している。このような動きによって極めて柔軟で、新たなニーズに即応でき、競合他社からのプレッシャーに耐えられる企業になれるのだ。Amazonのバックエンドシステムは、小売業界のどのシステムとも大きく異なっている。つまり、閉じたプロプライエタリなシステムではなく、オープンであり、幅広くサポートされており、将来的な統合作業にも適したものとなっている」と述べている。
ProgrammableWebの最近の調査によると、オープンなAPIによって著しく成長しているのはエンタープライズ向け機能の分野だという。ProgrammableWebの編集者であるWendell Santos氏は、同サイトの「Enterprise」カテゴリが「生み出されたのは、多くのエンタープライズ向けソフトウェアベンダーが、従来のユーザーインターフェースに追加するAPIを、あるいはそういったインターフェースの代替となるAPIを通じて顧客を魅了しようとしてきたためだ」と述べるとともに、「このカテゴリの成長はおそらく、需要と供給の関係であり、消費とプロビジョニングという双方の観点からの、API駆動アプローチに対する顧客の興味を反映したものとなっている。エンタープライズがAPIの持つ力をより深く把握するようになれば、自社での消費を目的としたAPIの構築に向かって行くのは自然な流れと言えるだろう」と述べている。
公開APIに関する情報を数多く集積しているProgrammableWebは、現時点で1万7000以上ものAPIが利用可能になっていると述べている。そして、毎年およそ2000種類のAPIが新たにProgrammableWebのサイトに登録されている。