ミック経済研究所は、6月12日、「NB-IoT 」に関する調査結果を発表した。
同社は、 狭帯域IoT(Narrow Band IoT:NB-IoT)を含めた Cat.M1、Cat.4、WiMAX、3Gといったライセンスバンドの回線数、およびLoRa、SIGFOX 、Wi-Fi HaLow 、Wi-SUN などのアンライセンスバンドの回線数について2020年度までの予測行っている。
この予測の中で、NB-IoTの回線数は、2020年度に3260 万回線弱に達し、NB-IoTと競合すると見なされるアンライセンスバンドの LoRaWANとSIGFOX は合わせて3800万回線弱になるとしている。また、Wi-SUNも5000万回線に達するという。
同研究所では、通信キャリア3社の2015年度のM2M/IoTの回線数は、1060万回線(PHS、WiMAX を除く)としたうえで、2020年度には7000万回線弱にまで成長すると予想している。しかし、その収益は、2015年度の600億円から3倍強の1900億円程度に留まるとしている。1回線あたりの単価の下落は大きく、想定されるNB-IoTのサービス単価は、契約回線数や1日当たりのトラフィック量にもよるが、1契約当たり年額でも1000円以下と予想している。
このことから、通信料金をモジュールコストに含めるか、最初に年間分をもらうという料金体系になると予想されるとし、今後は通信キャリアにとっては新しいビジネスモデルや料金体系が求められることになると予測している。
新しいビジネスモデルについて、同研究所は、通信キャリア各社が、通信モジュールや通信サービス単体での商売から上位レイヤを含めたIoTソリューションへのビジネスモデルへの転換を図っていることを指摘し、2020年度で通信キャリア3社のIoTサービスの総売上高のうち、IoTプラットフォームやアプリケーションの占める割合は60%以上に達すると予想している。