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サーバの復権に挑むAMDのプロセッサ戦略

山本雅史

2017-07-07 06:00

 AMDは、2011年までデスクトップ用プロセッサ「Athlon 64」をベースとしたサーバ向けプロセッサ「Opteron」(K8/K10コア)によって、サーバプロセッサではIntelを追い越すほどのシェアを持っていた。しかし、2011年にK10コアの後継アーキテクチャとなる「Bulldozer」アーキテクチャを採用したプロセッサを発表すると、AMDのアドバンテージだった、「Intelよりも低コストで高性能なプロセッサ」という特徴が薄れてしまった。

 実際、Bulldozerアーキテクチャのプロセッサは、IntelのXeonほどの性能が出なかった。Intelも、AMDのサーバ向けOpteronが多くのDellやHPE、IBMといったサーバベンダーに採用されたことを受け、積極的にXeon自体の性能アップさせるようになった。

 AMDは、Bulldozerアーキテクチャの改良を進めたが、プロセッサとしてのデザインコンセプト自体が、現在のサーバプロセッサに求められるニーズとは大幅に異なり、結局Bulldozerアーキテクチャのサーバプロセッサが普及することはなかった。実際に改良されたBulldozerアーキテクチャのOpteronが登場しても、徐々にAMDのサーバ市場におけるシェアは下がり、最近ではほとんどのサーバベンダーがIntelのプロセッサを採用している。AMDのOpteronを採用したサーバが新たにリリースされることはなかった。

 このような状況を覆すためにAMDが開発したのが、「Zen」アーキテクチャだ。Bulldozerアーキテクチャでは、コンシューマー向けでもサーバ向けでもIntelに勝てないと考えたAMDは、起死回生の手段としてBulldozerアーキテクチャを捨て、開発リソースの全てを新たなZenアーキテクチャに注ぎ込んでいた。

 そして2017年2月に、AMDはまずデスクトップ向けにZenアーキテクチャを採用した「Ryzen」を発表した。Ryzenは、IntelのCore iシリーズよりも低コストで、最大8コア/16スレッドを提供している。一部のベンチマークソフトでは、Zenコア自体の性能がIntelの最新コア「Kabylake」を超える性能を示した。Dell、HP、Acer、ASUS、Lenovoなどの大手PCベンダーからRyzenを搭載するPCが大々的に発表され、Zenアーキテクチャに賭けたギャンブルにAMDは勝った。

 AMDは好調なRyzenに支えられ、なんとしてもサーバ向けプロセッサのシェアを回復したいと、2017年6月末にはZenアーキテクチャを採用した「EPYC」(開発コード名:Naples)を発表する。EPYCを採用するサーバは、DellやHPE、Lenovoなどの大手サベンダーに加え、SuperMicroやTyan、Gigabyte、ASUS、H3C、Wistron、Inventec、Sugonなどのホワイトボックスサーバーベンダーなどからも発表された。

 また、ワールドワイドで大規模なパブリッククラウドサービスを提供しているMicrosoftも、AzureでのEPYCサーバの採用を発表した。2017年後半から、Azureのサーバとして導入される予定だ。


Zenアーキテクチャを採用したサーバ向けプロセッサ「EPYC 7000」シリーズ。EPYCは、1/2ソケットをサポートする。Intel Xeonのような4ソケットや8ソケットという製品はない(AMD資料より引用、以下同じ)

EPYCはハイパフォーマンスコンピューティング、クラウドや仮想化、マシンラーニング、ビッグデータ、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)などの用途に対応する

Windows ServerやLinuxなどの主要OS、VMwareやXen、KVMなどの主要なハイパーバイザがEPYCに対応している

大手サーバベンダーに加え、ホワイトボックスのサーバベンダーもEPYCベースのサーバをリリースする

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