インターンの雇用は、企業が繁忙期に臨時の戦力と知識を獲得する手っ取り早い手段だ。また、将来フルタイムで雇用する可能性のある人材を企業が評価する「試用」の機会にもなる。
だが、こうした雇用方式にはデメリットがある。インターンが企業の製品ラインアップを完全に理解し、顧客からの質問にどう答えるか、さらなる情報を求める顧客をどこに導くべきかを把握していることはめったにない。
インターンは学習の途上にある。時間の経過とともに順応して学習し、次第にフルタイムで雇用される可能性が出てくる。
このことは、ボットをベースにした「デジタル従業員」を導入する企業にも当てはまる。
チャットボットは、企業に関する知識が完全な状態で仕事を始めるわけではない。時が経つにつれて賢くなり、顧客により良い対応ができるようになり、日常業務をこなし、従業員に時間の余裕をもたらす。
多くのチャットボットは、よくある簡単な質問に答えて、カスタマーセンターの人員に代わるものとなるよう想定されてきた。だが、チャットボットはすぐにも人間の仕事を置き換えるのだろうか。
クラウド型カスタマーセンターを手がけるAspectは、2017年3月に調査を実施し、カスタマーサービス担当者500人に自らの役割などについて質問した。
Aspectの調査によると、カスタマーサービス担当者の65%は、現在の職場にとどまる意向だが、昇進の機会について楽観的であるのは41%のみとなっている。
これは意外なことではない。カスタマーセンターのバーチャルアシスタントの利用は、2020年までに1000%増加するとアナリストは予測しているという。
また銀行分野で、人間の支援なく完結するチャットボットとのやりとりは現在12%だが、2022年には90%超に増加する見通しだという。
ボットを利用すれば、より迅速に質問への答えが得られるとユーザーは考えている。問題は解決され、顧客の問題も解決される。その結果、人はより複雑な質問に答えることになる。
同調査によると、カスタマーサービス担当者のうち44%は、チャットボットがサポートに関する一般的な質問を処理すれば、自身の知性を生かせるようになると回答した。
だが顧客の42%は、複雑な質問や要望には人間の担当者に対応してもらいたいと考えているという。
顧客の71%は、チャットボットが複雑なトラブルシューティングに向いていないと考えており、86%が、人間の担当者に替わってもらえる選択肢を常に用意されるべきだと感じている。チャットボットが複雑なトラブルシューティングに適していると想定されていないのが現状のようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。