レノボは最近、14種類のサーバプラットフォーム、7種類のストレージシステム、5種類のネットワークスイッチを一度に公開すると同時に、同社の新たなデータセンター市場戦略を明らかにした。問題は、このデータセンター重視の戦略が成功するかどうかだ。
その可能性は高い。
Lenovoの製品と戦略を評価し、役員にインタビューを行った結果、2014年にIBMのx86サーバ事業を買収して以来、同社にはこれまで「総合的な計画」が決定的に欠けていたということが見えてきた。LenovoはKirk Skaugen氏のリーダーシップの下で、営業、サプライチェーン、顧客に関する計画をまとめ上げた。同氏はIntel出身で、現在はLenovoのデータセンター部門でプレジデントを務めている。
Lenovoは重要なゴールをいくつか設定した。同社はスーパーコンピューティング企業のナンバーワンを目指している。また同社は、「レガシーフリー」という言葉も使っている。さらに、同社のサプライチェーンは、PCとほぼ同じペースでサーバを生産できる。つまりLenovoは、大規模なクラウドプロバイダーが好んで採用する、安価なノーブランドのハードウェアを作っているメーカーとも戦える生産能力を持ちながら、大企業に受け入れられる水準の知的財産や信頼性も提供できるということだ。
ただしLenovoは、Dell TechnologiesやHewlett-Packard Enterprise(HPE)の後塵を拝しており、多くの領域ではCiscoやIBMとも戦う必要がある。
Skaugen氏に「レガシーフリー」という言葉の意味を尋ねると、次のような答えが返ってきた。Lenovoにとって、レガシーフリーとは、ソフトウェア定義インフラストラクチャを実行できることを意味している。これが可能なのは、ストレージやネットワークシステムを追加で売る必要がないからだという。Lenovoは、守らなければならない「レガシー」な事業を持っていない。「どの取引先でも、さらに別のレガシーな何かを調達することはしたくないという話を聞く」と同氏は言う。「わが社には、1世代前の古い製品を押しつける必要はない」
レガシーを持っていないことに加え、1秒当たり4台のデバイスを出荷できるサプライチェーンを持っていることが、Lenovoに価格と技術で競争できる余地を与えている。