デルが中堅企業向けクラウドを一括提供--ひとり情シスの悩み解決へ

大河原克行 2017年07月11日 07時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 デルは、ラクス、カゴヤ・ジャパン、エックスサーバーとの協業し、中堅企業向けクラウドサービスの提供を開始する。

 各社が提供する電子メール、グループウェア、ナレッジ共有、ブログ/ウェブサイト、ファイル管理、バックアップといった「汎用情報系」、経費精算、交通費計算、帳票発行、給与明細、ワークフローによる「汎用業務系」の合計11種類のサービスを用意。顧客がクラウド化に着手する上で代表的なソリューションを体系化し、ワンストップで提供できる体制を確立した。


デル 広域営業統括本部 執行役員 統括本部長の清水博氏

 デル 広域営業統括本部 執行役員 統括本部長の清水博氏は「従業員が100~999人の中堅企業では、『ひとり情シス』と呼ばれる環境にあるケースが14%、IT専任担当者がいないケースは13%に達しており、クラウド利用の希望が高いものの、検討する時間がないという課題を抱えている。中堅、中小企業向けのクラウドサービスで実績を持つラクス、カゴヤ・ジャパン、エックスサーバーの3社と協業することで、中堅企業の目線を持って、クラウドの初期導入を提案。ワンストップで対応する環境が実現できる」とする。

 2月14日に発表した「IT投資動向調査」では、中堅企業のIaaS導入は18%と限定的であることが浮き彫りになった。「クラウドを敬遠しているのではなく、クラウド利用に向けた要件定義、ベンダー評価などの選定準備、社内システムとの連携やセキュリティ要件などの運用準備など、事前に検討する時間がないことや、検討できる提案やパートナーが存在していないことが原因になっていることが分かった」という。

 また、中堅企業におけるクラウド利用の72%は、ファイル保存、電子メール、サーバ利用、スケジュール共有、社内情報共有、データバックアップで占められており、今回の協業では、これらのアプリケーションに特化したクラウドサービスを提供することになる。

3社を選定した理由と今後

 「3社を選定したのは、顧客との対話の中で、高い納入実績があることを認識できたこと、コストセンシティブな市場において、長期間にわたって実績を上げていること、デルとのターゲットが同一であり、レバレッジが図れること、既にデルの製品を運用した実績があることなどが理由」(デルの清水執行役員)とした。

 

 今回の協業により、デルの広域営業統括本部では、3社のクラウドサービスの販売を行うことになる。

 デルの広域営業統括本部では、中堅企業向けの販売体制強化に向けた取り組みを加速させており、インサイドセールス部門における、ITコーディネイターなどの資格取得を促進。クラウドコンシェルジュと呼ぶクラウドの提案を行う人員を強化している。

 クラウドコンシェルジュは、パートナーが持つクラウドサービスを含めた提案や、オンプレミスと組み合わせたハイブリッドクラウドの提案などを行う役割を担う。

 今回の協業へと踏み出せたのも、こうした体制が確立できたことが背景にある。

 デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業本部 広域営業部の木村佳博部長は「社内に持つべきコア技術がわからないという場合にも、適切な提案を行い、人員を増やせない、検討時間が取れないといった導入や運用における課題も解決できる」と話す。

 ラクスでは、経費精算および交通費精算サービスの「楽楽精算」や、帳票発行および給与明細サービスの「楽楽明細」などを提供。「創業以来、中堅中小企業に特化したビジネスを進めている。楽楽精算では、経費や交通費の申請、承認、精算の一連のワークフローをブラウザ上で実現。作業時間の短縮化や効率化を実現する。

 中小企業の7割がExcelや紙で経費精算作業を行っており、これを改善する必要がある。ITで中小企業を強くしない限り、日本は発展しないと考えている」(ラクスの中村嵩則社長)とする。

 カゴヤ・ジャパンでは、セキュアな環境を実現した事業者向けのメールシステム「メールエンタープライズ」や、マネージドサービスを付帯したネオジャパンのグループウェア「desknet's NEOプラン」などを提供。「創業以来、18年間に渡って自社所有のデータセンターでサービスを提供しており、それが柔軟性と安定性を両立したサービスの提供につながっている。24時間365日体制で常駐する自社のエンジニアによる突発的な障害への対応も可能である」(カゴヤ・ジャパンの北川貞大社長)とする。

 また、エックスサーバーでは、CMSとして広く利用されている「WordPress」や、情報共有、編集を共同で行えるWikiソフトウェアの「PukiWiki」などを提供する。エックスサーバ―の取締役、辰巳準之介氏は「エックスサーバーは、国内で最大規模の人気を誇るレンタルサーバサービスであり、これまでに130万件以上のサイトが運用されている。最新の高性能サーバを採用しているほか、大容量ネットワーク環境、FCGIなどの各種高速化機能を備えており、ストレスなく使えることにこだわり続けてきた」と強調した。


(左から)デル 広域営業統括本部 執行役員 統括本部長の清水博氏、ラクスの中村嵩則社長、カゴヤ・ジャパンの北川貞大社長、エックスサーバ―の辰巳準之介取締役

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
トランザクションの今昔物語
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
展望2017
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算