#3:ベンダーを万能の存在だと考えてしまう
Short氏は、ITプロバイダーはあらゆる問題を解決できるわけではなく、顧客企業のさまざまな組織構造に関する洞察に長けているわけでもないと述べている。同氏は「ITプロバイダーに対する期待を現実的なレベルにとどめておく方がよい」とアドバイスしたうえで、「大きな価値をもたらせるプロバイダーもいれば、与えられたタスクを実行するだけのプロバイダーもいる」と述べている。
#4:業務とテクノロジを分けて考える
Short氏は、デジタル変革に向けた取り組みでは「どのITプロバイダーも業務上の成果をもたらす必要がある。例外はない」と述べている。
CapgeminiのMullen氏によると、サードパーティーベンダーの決定は、調達のみではなく、ITプロセスや業務プロセスによって導かれるべきだという。さもなければ、パートナーとの関係における柔軟性や、ソリューションを生み出す能力を失ってしまうという。Mullen氏は「優れた関係というものが明確に記された契約書であると考えているのであれば、混乱の渦に向かって進んで行くことになる」と述べている。
#5:コミュニケーションを欠いている
Captain Customerの創業者でありコンサルタントでもあるAndrea Wasserman氏は、ベンダーとの関係を管理するうえで、コミュニケーションの重要性はいくら強調してもしきれないくらいだと述べている。同氏は、「顧客にとって何が機能し、何が機能しないのかや、顧客がどのようにテクノロジを用いるのかをベンダーが把握していない場合、顧客のテクノロジ利用を支援できず、顧客を満足させることもできない」と述べたうえで、「単なる取り引き上のベンダーと購入者の関係ではなく、パートナーシップとして捉えるべきだ」と述べている。また同氏によると、ベンダーのできることを理解するのも重要であり、ベンダーによってはコンサルタントのようなアプローチを採るところもあるという。同氏は「尋ねるまでは分からない」と付け加えている。
Wasserman氏は、懸念が明らかになった時点でできる限り早く、文書でその旨を伝えるのが重要だと述べている。これは記録に残すためというよりはむしろ、双方の側の関係者全員に同じメッセージを伝えるうえで重要であり、解決のための鍵となる場合もあると同氏は付け加えている。