産学連携の新世紀

“指”の認証がインフラになる--国内外の銀行との連携が進むLiquid - (page 2)

飯田樹

2017-07-13 07:00

--その他にも、大学と研究していることは。

 佐藤氏:動画解析、画像解析、指紋認証というベースの部分を、幾つかの研究室と一緒に研究している状態です。技術レベルの向上に研究室と取り組んでいます。

--それでは具体的に、御社の事業での最近の取り組みを幾つか紹介してください。


第一営業部長 佐藤毅氏

 佐藤氏:ハウステンボスで「LIQUID Pay」(同社が提供する、指紋スキャナを用いた決済サービス)を用いた、園内地域通貨「テンボス通貨」の運営を開始しました。入園時に生体認証による登録をしておき、プリペイドで支払う仕組みになっています。Suicaが指になったようなイメージです。金融分野だと、イオン銀行との取り組みで、世界初の指紋認証のみでの現金入出金が可能になった事例があります。

 経済産業省との連携プロジェクトでは、「Touch&Pay」(※)があります。今後、訪日外国人が増えると言われていますが、地方に目を向けるとクレジットカードで決済できないお店が7〜8割で、このままでは地方の消費が伸びません。そこで、温泉街などでのチェックイン時にLIQUID Payの登録機を置いて、その周辺の土産屋や食事処で生体認証での決済をできるようにすることで、今まで機会損失だった部分を消費に変えていく取り組みをしています。


<「Touch&Pay」は経済産業省のIoT推進のための新ビジネス創出基盤整備事業(IoT活用おもてなし実証事業)として、JTBコーポレートサービスなどと共に運営されているもの。箱根町や湯河原町をはじめ、エリアごとに展開されている。画像はTouch&Pay公式サイトより

 また、訪日外国人は宿泊時に、日本人に比べて項目が5倍も多い宿泊台帳に記入し、ホテル側は提示されたパスポートをコピーして複数年間保持することが旅行業法で定められています。

 しかし、Liquidのシステムを使って事前に指紋を登録し、パスポート情報と指紋を紐付けておけば、指紋認証をホテルでのチェックイン業務に代替して良いという認可を、日本で唯一受けました。


<LIQUID Payで使用する「LIQUID Sensor」(指紋スキャナ)(同社ウェブサイトより)>

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