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日本株展望

上値重い不動産株--2018年問題意識?

ZDNet Japan Staff

2017-07-12 11:05

今日のポイント

  1. 都心は不動産ブームの様相。その恩恵で、大手不動産株は最高益を更新中。ところが、不動産株は上値が重い。不動産市況がやや過熱していることが警戒されている
  2. 個人投資家には、不動産株よりも平均分配利回りが約4.1%のREIT(リート:上場不動産投資信託)の方が、人気がある

 これら2点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

不動産ブーム続く

 アベノミクスが始まった2013年以降、景気回復と異次元金融緩和の効果で、不動産需給が改善した。今都市部は、不動産ブームの様相を呈している。

都心5区オフィスビルの賃料・空室率平均の推移:2013年1月~2017年5月


出所:三鬼商事、都心5区は東京都千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区

 三鬼商事の調査によると、2013年1月に8.56%であった都心5区の空室率は、2017年5月に3.41%まで低下している。平均賃料は、2013年中は低下が続いて2013年12月に1万6207円/坪となったが、そこから上昇に転じ、2017年5月には1万8801円/坪となっている。

 都市部に優良不動産を保有する大手不動産会社は、不動産ブームの恩恵で、最高益の更新が続いている。

大手不動産の連結純利益


出所:各社決算短信

上値の重い不動産株

 不動産業は市況産業である。過去に不動産市況の上昇下落に対応して、ブームと不況を繰り返してきた。不動産業は今、ブームの渦中にあるが、不動産市況に過熱感が出始めていることが意識され、不動産株は上値が重くなっている。2018年に都心でオフィスビルの大量供給がある不動産の「2018年問題」が意識されている面もあると思う。

 以下の「東証不動産株価指数の動き」をご覧いただきたい。ここに、2001年以降の不動産市況の推移が表れている。

東証不動産株価指数の動き:2001年1月~2017年7月11日


注:2001年1月末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成

 2001年は不動産不況のさなかにあった。その後、不動産市況は回復に向かい、2005~07年に不動産ミニバブルと言われるブームがあった。このブームは2007年で終わり、その直後から不動産市況は大きく下がった。

 筆者は、2007年に不動産ミニバブルが盛り上がり、崩壊した経緯をよく覚えている。2005年頃から、「都心の不動産がファンドの買いで大きく上昇しているが、バブルでないか?」とささやかれ始めていた。ところが今振り返ると、2005年はまだバブルの入り口だった。07年にかけて、不動産市況、不動産株ともさらに大きく上昇した。いったい、いつまで上昇が続くか分からなくなった頃、突然転機が来た。2007年以降、不動産市況がピークアウトすると、不動産ファンドから解約による投げ売りが増え、下げが加速した。

 2013年から、不動産市況は回復に転じ、今まさにブームとなっている。このブームはいつまで続くのだろうか? 不動産株価指数だけは、先にピークアウトを織り込み、上値が重くなっている。

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