九州旅客鉄道(JR九州)が、本社を除いたグループ36社のITインフラをマルチテナントのプライベートクラウドで構築した。これを手掛けたEMCジャパン、ヴイエムウェア、ネットワンシステムズ、パロアルトネットワークスが共同発表した。
プライベートクラウドの構築は、2016年10月の東証1部上場に合わせ、グループ全体の情報セキュリティガバナンスの強化やIT環境の統一化を図る目的で実施した。以前はグループ各社が個別にシステムを構築、運用しており、セキュリティレベルに格差が生じていたという。
具体的には、ヴイエムウェアのネットワーク仮想化技術「VMware NSX」やファイアウォール機能などによって、ネットワーク内にグループ会社ごとのアクセス可能な仮想ネットワークの専用領域を設ける「マイクロセグメンテーション」の仕組みを設けている。
プライベートクラウドを構成する製品には、事前検証済みのパッケージシステム「Dell EMC VSPEX」や、統合運用管理ソフトウェアの「VMware vCloud Suite」、ストレージの「Dell EMC VNX」、データセンタースイッチの「Cisco Nexus 9000」シリーズ、バックアップの「Dell EMC Avamar」「Dell EMC Data Domain」、パロアルトネットワークスの次世代ファイアウォールやクラウド型脅威分析サービスなどを採用した。
これら製品による環境の構築やセキュリティ対策の運用は、ネットワンシステムズが担当している。
JR九州のプライベートクラウドの概要