IBMは、「Watson」を搭載したクラウドベースの新しいサービスプラットフォームを発表した。企業はこのプラットフォームを利用し、IT業務を自律的に管理できるようになる。
「IBM Services Platform with Watson」は、潜在的な問題を予測、特定し、自己修復することが可能なほか、ハイブリッドIT環境に関するリアルタイムの可視性をITチームに提供し、データに基づいてより迅速な決定ができるようにするとIBMは述べている。
コグニティブなインサイトが加わることによって、このプラットフォームは、継続的なコンプライアンスや自律的なガバナンス、セルフサービス方式の自動プロビジョニングといったより複雑な業務の自動化を実現するという。
IBMのGlobal Technology Services Labs(GTS Labs)のバイスプレジデントであるGopal Pingali博士は、次のように述べている。「ITの未来はコグニティブに基づいたものになり、その原動力はビッグデータだ。大切なのは、常にIT環境が稼働している状態にしておき、現代のデジタル事業のニーズに合わせて規模を拡大できるようにすることだ。これは、ハイブリッドクラウドの管理や自動化、Watsonベースの認知能力を統合した業界初のプラットフォームだ」
「たとえば、このプラットフォームは、あるインシデントの存在を検知して自動的に解決するだけではない。まだ自動化されていない新しいインシデントについて学習し、(新たな)インシデントに対処するために構築できる自動化システムを提案してくれる」(Pingali博士)
IBMのデータレイクは、銀行や小売のような「データインテンシブ」な業界において、30年以上の間に得られた情報から収集されたシステム運用データに基づき、新プラットフォームの「データファウンドリ」の役割を果たす。
Watsonを搭載する新プラットフォームにより、自動化ツールは、単純な指示を実行する以上のことをできるとIBMは述べている。診断を行い、問題の根本的な原因に対処するアクションをとったり、構造化されていないメールやチャットを自然言語で読解したり、そこから得られたインサイトを利用して、人間の介入なしに問題を解決したりできる。
このプラットフォームによって、多くの場合は人の介入が不要になるが、Pingali博士によると、人が介することの必要な問題が発生することも「まれに」あるという。その場合、人は会話形式でWatsonと話し合い、最善の解決策を特定できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。