海外コメンタリー

CIOに開かれたさまざまなキャリアパス - (page 2)

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-07-18 06:30

 Foulsham氏は、Scopeに参加してから約6カ月間、慈善活動としてフルタイムで勤務した。現在では、1週間に4日間前後の勤務になっている。Foulsham氏は、この慈善活動や、その他の関心を広げるために割く時間を、柔軟に決めている。

 「私は、同様の活動を経験したことがある人たちと話をした」と同氏は言う。「もし複数の仕事を同時にやりたいなら、8時間のシフトに仕事を収めることはできない。参加する新しい組織が、Scopeのように事業の変革を目標にしている場合、パートタイムで働くというわけにはいかない」

 しかしFoulsham氏は、仕事の併存はうまくいくと考えている。同氏は最近、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)の潜在的な影響をテーマにした書籍を自己出版したほか、コンサルティングやCIOのコーチングを含む、ほかの取り組みも行っている。「これこそ、1つの組織で非常に長期間働いてきた間、私がやりたかったことだ」と同氏は言う。

ほかの幹部職を目指す

 Andrew Abboud氏も、日常的なマネジメント業務から、専門的なコンサルティング業に転職したITリーダーの1人だ。同氏は2015年末に、Laureate EducationのCIOを退任した。自分の考えを見直すために数カ月間仕事から離れた後、Abboud氏は独立したCIOコンサルティングサービス会社を設立した。「これは、以前からやりたかったことだ。私はコンサルティング企業のCIOとして働いてきたが、実際にコンサルティング業務をすることはなかった」と同氏は述べている。

 同氏は、PwC、PA Consulting、Deticaなどのコンサルティング企業でIT部門の幹部を務めてきた。また2008年から2011年にかけてはシティ大学ロンドンのCIOを務め、その後4年間は、スイスのLaureateに勤務している。英国に戻ったAbboud氏は、キャリアのポートフォリオを組み立てつつある。

 コンサルティング業に完全に方向転換したほかの元CIOとは違って、Abboud氏は再び企業の幹部職を務める可能性を否定していない。同氏は、CIOの日常的な激務も嫌いではないが、ほかの幹部職にも興味があるという。Abboud氏は過去に、Deticaでイネーブリングサービスのグループディレクターを務めており、施設管理や調達、知識管理など、IT部門以外の幅広い業務を担当したことがある。

 「最高執行責任者(COO)の仕事にも興味があるし、これまで務めていた会社の同僚には、私はCOOや最高経営責任者(CEO)になるべきだという者もいる」と同氏は言う。「私はこれまで、ビジネス上のメリットを提供することに取りつかれていたが、CIOの仕事は楽しんでいる。CIOは素晴らしい役職だ。またほかの幹部職は、企業のさまざまな要素について詳しく理解するチャンスを与えてくれるだろう」

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