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ガンダムから考える宇宙ビジネス--天才の「狂気」が新世界を開拓する - (page 2)

稲田豊史

2017-07-15 07:00

 特筆すべきは、アナハイム・エレクトロニクスの商売の仕方だ。同社は戦争状態にある両陣営いずれからもモビルスーツの発注を受けて生産し、納品している。敵対する両陣営に兵器を売る、いわゆる「死の商人」だ。

 『逆襲のシャア』は、地球連邦軍とネオ・ジオン軍との戦争を描いた作品だが、地球連邦軍に所属する主人公のアムロ・レイが搭乗するモビルスーツ「ν(ニュー)ガンダム」に装備された最新兵器の技術は、もともとネオ・ジオン軍の技術だった。

 それがアムロのライバルにしてネオ・ジオンの総帥であるシャア・アズナブルによって、アナハイム・エレクトロニクス経由で意図的に横流しされたことが判明する。いち民間企業が、敵対国家間で超最先端技術の「橋渡し」をしたわけだ。

 「死の商人」は現代社会にも存在するが、われわれがアナハイム・エレクトロニクスの商取引を「あり得る」と感じられるのは、物語の舞台が(敵対国家間の商取引を制限する)国境の存在しない「宇宙」だからではないだろうか。実際、同社の本社は地球だが、本拠地も主要な生産拠点も研究開発施設もすべて月にあり、多くの資本が月に移されている。


大長編ドラえもん『のび太の宇宙開拓史』 Amazonサイトから引用

 宇宙にビジネスを求める行為は、それこそ国境が引かれる前の新天地に「希望」や「金脈」を求める男臭いロマンと結びつきやすい。欧州から米国への入植、その後訪れる西部開拓やゴールドラッシュのように、ユートピアや一獲千金を求めて荒野に赴くというやつである。

 大長編ドラえもん『のび太の宇宙開拓史』(81〜82年連載)では、開拓星で奮闘する開拓民と、その星に埋まる希少鉱石を狙う大企業との戦いが描かれた。それはまるで、「英国から米国への移民vs植民州に重税を課す英国」の対立構図をも想起させる。

 深夜放映のTVアニメとしてハマった30代が多いと思しき『カウボーイ・ビバップ』(98年放映)は、地球が人為的な事故によって死の星と化し、人類が別の惑星に移民せざるを得ない状況になった2071年が舞台だ。

 移民星は当然、テラフォーミング(人間の住める星に改造すること)されている。テラフォーミングは人類が宇宙に「移民」する際に必要不可欠なテクノロジであり、現実世界でもNASAが火星の大気を守る巨大磁気シールド構想を発表済みだ。

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