AIに自分の仕事を奪われると考えている人は、世代間でもその差が顕著だ。ジャストシステムが7月6日に発表した「人工知能(AI)&ロボット 月次定点調査(6月度)」によると、「AIに自分の仕事を奪われる」と考えている人の割合は、50代以上においては約18%に対し、10代では46%だった。
別の調査をみると、50代は仕事を奪われるというよりもさまざまな分野での活用に期待しているようだ。
アデコグループの日本法人は5月、上場企業に勤務する、40代から50代の管理職(部長職・課長職)309人を対象とした「AI(人工知能)時代に求められるスキル・能力」の調査結果を発表した。

出所:アデコグループ: AI(人工知能)時代に求められるスキル・能力 2017.5
調査では、管理職の88.7%がAIに期待しており、AIの普及は「労働時間の短縮」(58.9%)や「業務の効率化・生産性の向上」(56.3%)につながると回答している。また、AIに任せたい業務は、データ処理やデータ分析などで、仮にAIが上司や部下になったとしても、半数以上が好意的な回答をしている。
AIの導入企業は6.8%と低い状況だが、28.8%の企業が3年以内に導入予定で、AIについてより知識があるグループでは、92.2%がAIに対して期待感を示している。
部下に求める能力は、現在もAI時代も「対人関係力」がトップだが、AI時代には「創造力」も重要になってくると予想している。
その一方、こちらでも紹介をしたが、マネジメント層のAIへの知識は世界と比べて遅れが目立っている。
調査会社のMM総研は4月、「人工知能技術のビジネス活用概況(日米独の法人比較)」を公表した。調査によると、日本企業がAI技術をビジネスに導入している割合は1.8%で、ドイツの4.9%、米国の13.3%であり大きく遅れをとっている。
AIに投資している企業のなかで、マネジメント層がAI技術やサービスをくわしく知っている割合を3カ国で比較すると、日本7.7%、ドイツ30.9%、米国49.8%と、日本では9割以上の導入企業のマネジメント層が技術を理解しないままAIに投資している状況である。

出所:人工知能技術のビジネス活用概況 MM総研 2017.4.25