Oracleは米国時間7月19日、顧客のデータセンター内にクラウド環境を構築する同社のクラウドサービス「Oracle Cloud at Customer」のラインアップを拡充したと発表した。これにより、同社が提供するPaaSやSaaSのほか、ビッグデータに焦点を当てたシステムすべてがサポートされる。
同社は決算発表時の電話会議において、AT&Tがいかにして複数のデータベースをCloud at Customerプラットフォームに移行するという決定に至ったのかについて強調していた。Cloud at Customerの肝は、Oracleがコンピュートやストレージ、ネットワークのための機材を顧客企業のデータセンター内に設置するところにある。これにより顧客システムは、その環境内でOracleのパブリッククラウドサービスを利用できるようになる。なお、このサービスにはサブスクリプション形式の価格が適用される。
現時点での製品ラインアップには、「Oracle Cloud Machine」と「Oracle Exadata Cloud Machine」「Oracle Big Data Cloud Machine」が含まれている。このためパブリッククラウドを利用したいと考えているものの、規制の厳しい業界にあってデータを社外に出せない顧客に対してアピールするものとなっている。
Cloud at CustomerによってOracleは、コンバージドシステムを販売するとともに、既存顧客を維持したままクラウドベースを成長させていけるようになる。企業はクラウドに向かっているものの、規制や業務上の要求によって一部のデータをオンプレミスに残している。このためOracleは例えば、EU一般データ保護規則(GDPR)に対する戦略として、Cloud at Customerを売り込んでいくことが考えられる。
Cloud at CustomerのPaaSには、データベースとアプリケーション開発、アナリティクス、ビッグデータ、アプリケーションとデータの統合、アイデンティティ管理といったプラットフォームが含まれている。
またSaaSには、企業資源計画(ERP)や人的資本管理(HCM)、顧客関係管理(CRM)、サプライチェーン管理(SCM)といったサービスが含まれている。
Cloud at Customerには以下の「Oracle Cloud」サービスが含まれている。
- インフラストラクチャ
- データ管理
- ビッグデータとアナリティクス
- アプリケーション開発
- エンタープライズインテグレーション
- セキュリティ
- SaaS
現時点での顧客には、ラスベガス市や、Federación Colombiana de Municipios、Glintt Healthcare、HCPA、日本電気(NEC)、NTT、楽天カード、State Bank of Indiaが名を連ねている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。