日立建機は、SaaS型の部品向けマスターデータ管理(MDM)システム「Syncron MasterData」を1月から活用している。シンクロン・ジャパンが7月20日に発表した。
日立建機は、部品事業での売上拡大と在庫最適化の両立を目標として、グローバルオペレーションの効率化を図っている。グローバルでの在庫最適化を進めるために、世界各地の部品マスターを集約したグローバルマスターデータが必要となっていた。
2016年4月からSyncron MasterDataの採用作業を開始。10カ月を経て、2017年1月から利用している。グローバルでの部品在庫の計画の精度向上に貢献し、ロジックを明文化したことでマスターデータの整備やクレンジングと運用体制を確立したという。今後、導入対象範囲を拡大していく。Syncron MasterDataの最新版では、日立建機と共同で検討したロジックなどが標準機能として新たに追加されている。
Syncron MasterDataは、部品、顧客、サプライヤーなどのマスター情報を管理する機能を持ち、各拠点に分散している各種データをシステムの中核となる1つのマスターデータ基盤に統合する。既存のツールと容易に連携でき、在庫最適化や価格最適化、オーダー管理などのシステムと統合することで、取引先とのビジネス連携やデータ管理作業工数の削減、グローバルでのデータ品質の向上を実現し、顧客満足度の向上にも貢献するという。
日立建機は、2012年からSaaS型価格最適化システム「Syncron Price」を導入し、価格設定の精度向上、価格改定に要する期間の削減に役立てきたという。Syncron Priceを活用した価格最適化の取り組みを進めることで、代替品や中古品、模倣品が流通する複雑、かつ競争の激しいグローバル市場でシェアの維持と拡大、収益性の強化を目指しているとしている。