自動化技術はあらゆる企業の労働力に変革をもたらし始めている。あなたの会社もその影響からは逃れられない。
McDonald'sの株価は最近、史上最高値を更新した。これは、同社が取り組む自動化に向けた投資にけん引されて事業価値が大きく拡大するというアナリストらの期待を反映したものだ。同社は「Experience of the Future」(未来体験)というイニシアティブの一環として、2500カ所の店舗のレジ担当者をデジタル注文キオスクで置き換えていくという計画を発表した。また同社は、顧客によるセルフサービスという取り組みを拡大し、1万4000カ所の店舗にモバイル注文システムを配備する計画だ。
McDonald'sのこの大胆な戦略に代表されるような動きが進む現代において、あなたの会社は労働力に変革をもたらし、顧客のエクスペリエンスを再構成するうえで、自動化技術をどのように活用していこうと考えているのだろうか?
自動化技術(ロボットやデジタルキオスクといったハードウェアや、人工知能(AI)に代表されるソフトウェア、モバイル注文のような顧客によるセルフサービスなど)の発展によって、世界経済はそのかたちを変え続けている。自動化技術は、あらゆる企業の労働力に影響を及ぼしつつあり、あなたの会社もその影響からは逃れられない。
さまざまな垂直業界や企業、部門のリーダーたちは、そのことに気付いている。自動化によって2027年までに米国の職の17%が奪われる一方、自動化関連の経済によって創出される職は10%にとどまるというForrester Researchの予想が発表された際、未来の職業に関する筆者の調査に多くのビジネスリーダーたちが注目した。われわれは最も重要な点として、人間とマシンのチームワークが未来の労働力を形作る重要なトレンドになると考えている。というのも、ロボットと一緒になって作業を進める人間の従業員が今後どんどん増えていくと考えられるためだ。
この調査のフォローアップとして筆者は最近、仕事の進め方に大きな変革をもたらす、労働力という観点からの自動化技術とロボット工学、AIについてさらなる考察を加えた2つ目のレポートを発表した。自動化技術のさらなる普及にともない、企業は自社の労働力についてより長期的な戦略を立案する必要に迫られている。
なぜだろうか?まず、企業は人間とマシンを連携させた労働力を具現化し、管理していくという荒海に漕ぎ出していくことになる。この荒海を航海していくためには、新しい時代をけん引する重要な技術のユースケースと相対的な成熟度を理解したうえで、長期的な投資を実施していくための戦略的な計画を立案する必要がある。