日本株展望

FOMC結果発表--ハト派メッセージに反応

ZDNet Japan Staff 2017年07月27日 11時00分

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今日のポイント

  1. 米FOMCでFF金利の変更なし。声明文には、今後の利上げがゆるやかになるとのハト派メッセージと、FRBは早期に資産縮小を開始する方針とのタカ派メッセージが含まれる。市場はハト派メッセージに反応
  2. 米長期金利が上昇すると、日経平均に追い風となるが、米金利の先高感が低下。目先、日経平均は2万円前後のボックス推移が続きそう

 これら2点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

米FOMC--金融政策の変更なし、発表後に円高進む

 7月26日(日本時間では7月27日午前3時)、米金融政策決定会合(FOMC)の結果が発表された。事前予想通り、利上げはなかった(FF金利の誘導水準を1.00~1.25%に据え置き)。

 今回の注目は、利上げの有無ではなく、FOMC声明文の内容だった。先行きの金融政策についてどのような示唆があるか、それによってドル円がどう動くか注目されていた。FOMC声明文には、2つのメッセージが盛り込まれていた。

  • 米インフレ率が伸び悩んでおり、今後の利上げペースは緩やかになる(ハト派メッセージ)
  • 早期に米連邦準備制度理事会(FRB)の保有資産縮小を開始する方針(タカ派メッセージ)

 ハト派とは「金融引き締めに消極的」という意味で、タカ派とは「金融引き締めに積極的」という意味だ。FRBの保有資産縮小とは、ここでは米国債の保有を減らすことを意味している。米国債の保有を減らせば、米国の長期金利に上昇圧力が働く。

 今回のFOMC声明は、12日に行われたイエレンFRB議長の議会証言で出されたメッセージとほぼ同じだ。その意味で、今回の声明にサプライズ(驚き)はなかった。

 為替はFOMC声明発表後に円高に動いた。発表直前に1ドル112.18円だった為替は、発表直後に1ドル111.18円まで円高に進んだ。ハト派とタカ派、両方のメッセージがあったわけだが、金融市場はハト派メッセージの方がより重要ととらえた。

 「利上げペースが緩やかになる」というメッセージから、市場では「利上げの打ち止めが近付いている」と感じている可能性もある。

 FOMC声明では、経済は緩やかに拡大しており、雇用の伸びも堅調と述べられている。ただし、インフレ指数は低下しており、物価動向を「注視する」と指摘している。FRBが注目するコア個人消費支出(PCE)物価指数は、2月が前年同月比+1.8%だったが、5月には+1.4%に縮小した。

 声明文のメッセージには、FRBは保有資産縮小を「9月に決定、10月に開始」することを予告したに等しい内容も含まれているが、そちらには、市場はあまり反応していない。

 26日の米国株は、NYダウとナスダック株価指数がともに一時最高値を更新した。米利上げが緩やかになるとのメッセージから金余りによる株価上昇が続くという見方が続いた。発表中の米4~6月決算が好調であることも、追い風となっている。

 一方、為替が円高に動いたことで、日経平均は今しばらく2万円前後で足踏みしそうだ。

日米欧--金融政策の方向性に差

 以下の通り、7月の日米欧の金融政策の発表が出そろった。中央銀行の発したメッセージをそのまま読めば、欧米は金融緩和について「出口へ向かう」方針だ。一方、日本は「出口はまったく見えず」と大規模緩和を長期化させる姿勢を示した。

米国:引き締め方向

 26日のFOMCで金融政策の変更はなし。声明で、利上げペースが遅くなることを示唆するも、早期にFRBの資産縮小を開始することを示唆。

欧州:量的緩和を縮小する方向

 20日の欧州中央銀行(ECB)理事会で、金融政策の変更はなし。ECBドラギ総裁が6月27日の講演で「デフレの力はインフレの力に置き換わった」と述べていたため、ECBが早期に緩和縮小に動くことが予想されていた。

 しかし、20日のECB理事会後、ドラギ総裁は「量的緩和縮小の議論はまだしていない」と直ちに緩和縮小に動くわけではないことを表明。市場では、ECBが緩和縮小に動くのは秋以降と読んでいる。

日本:大規模金融緩和を継続

 20日の日銀金融政策決定会合で、金融政策の変更はなし。長期金利をゼロ近辺に固定、年間80兆円メドの債券保有増加、年間6兆円の日本株ETFの買い取りを継続する方針。同日発表した展望レポートでインフレ率2%が達成される時期を後倒し。当分、金融緩和の出口は見えないとの意思表明となる。

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