それらの企業は、依然として古いやり方で物事を進めようとしている。また、従来の硬直的な契約アプローチが適さない仕事に対しても、同じやり方を使い続けようとしがちだ。コストより、機動的な対応や成果が重要な仕事でも、コストをコントロールしようとすることも多い。
Forresterは、重視するものを完璧さからスピードへと変えるべきだと主張している。これは、価値が低くても製品を素早く世に送り出し、顧客の反応を得て、素早くイテレーションを繰り返して製品を改善し、問題を解決すべきだということだ。しかしこれは、従来の硬直的な契約モデルでは不可能だ。
ほかの企業がスピードを上げる中で、自分の会社のスピードを上げられなければ、周りに取り残されてしまう。
以下に、Gartnerが提唱するベンダー管理に関する一般的なヒントを挙げる。
- 中心となるガバナンス委員会を設置する。この委員会のメンバーは、ベンダーと契約を結ぶ権限を持ち、管理ポリシー、プロセス、ベンダーの追加と排除のための基準を確立できる役員で構成すること。
- ベンダー管理の目的と、それらの目的を実現するための活動、およびそれらの活動の監督に関与すべき人間を決定する。同時に、それらの活動を実施する際の指針を示し、リスク管理やパフォーマンス管理などの領域に対するアプローチを設定するポリシーを確立する。
- ベンダーの評価、リスク評価、初期対応、リスク監視、問題管理およびエスカレーション管理、契約管理、パフォーマンス管理などの領域に関するプロセスを確立する。
- ベンダー管理のアプローチとして、集中型、分散型、ハイブリッド型のどれを選択するかを決定する。
- 定義が必要な領域には、ビジネス上の要件および技術的な要件、誰がベンダーの作業を指揮する権限を持ち、どのベンダーがどの仕事をするかなどが含まれる。さらに、ベンダーが提供するサービスを精査する監視・分析・予測のためのプラットフォームと、各サービスの利用に必要な予算を事業部門に対して割り当てるための手続きを定めることが望ましい。
- 一般に、ベンダー管理を脅かす可能性が高いリスクには、ガバナンスの役割とポリシーに関して定められた問題のある定義や、企業幹部からの支持の欠如が挙げられる。幹部からの支持は、ベンダー管理プログラムの目標と企業のミッションステートメントを摺り合わせ、ベンダーのガバナンスと、企業の大局的なアプローチと間の整合性を取ることで得られやすくなる。一方で、各サポート領域(人事、法務、財務、リスク、セキュリティ)の代表者からの意見も、ベンダー管理ポリシーに反映されることが望ましい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。