IoT導入の現場

VRをビジネス活用するサービスのプロトタイプ--AOI Pro - (page 2)

渡邉利和

2017-07-28 07:30

 この結果、どのような属性のユーザーが映像のどの部分に注目しているのか、どの部分に強く反応したのか、といった詳細な評価を得ることが可能になる。なお、VRを利用するメリットは、没入体験を提供することで視聴環境の差などの周辺ノイズの影響を排除し、当該映像の視聴結果だけをデータ化できる点にあるという。

 現時点では、システムはおおよそ完成しているものの、具体的な市場投入の時期等はまだ未定とされている。この点について同社の体験設計部長の吉澤 貴幸氏は、「強い印象を受けた際にぐっと手を握りしめるんじゃないかという想定で圧力センサを握って貰ってテストしたが、特に有用なデータは得られなかった。また、体温の変動を見ることで心理状態を推測できるかと思ったが、短時間の映像視聴の間では特に体温の変化は検出できなかった。このように、有用な知見を得るためにはどのようなデータを取得すればいいのか、という点についてもう少しテストを繰り返す必要がある」と語った。

 IoTなど、さまざまなセンサを活用してデータを収集し、高度な分析処理を行なうことで従来は困難だった豊富な知見を得る、という取り組みはさまざまな形で実現しつつあるが、VR Insightもその1つの具体例として 今後の展開が注目される。

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