「データベース製品をリブランディングしてさらなる進化を続けていく」
(米IBM Remy Mandon バイスプレジデント)
米IBMのRemy Mandon バイスプレジデント
日本IBMが先頃、データベース製品の最新動向について記者説明会を開いた。米IBMでIBMアナリティクスのクライアント・サクセス・アンド・グローバル・セールス バイスプレジデントを務めるMandon氏の冒頭の発言は、その会見で、データベース製品のリブランディングについて語ったものである。
IBMがリブランディングしたデータベース製品は「Db2」。従来の「DB2」を変更したものだ。このリブランディングについて、Mandon氏は次のように説明した。
「IBMが1982年に投入したDB2はもともとリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)として利用されてきた。その後、ユーザーニーズに応じて機能の拡充が継続して行われ、企業のさまざまなワークロードを強力に支えるものになってきた。そうした進化を踏まえて、このほどDB2をDb2にリブランディングした。元素周期表のようにDb2とDだけを大文字にしたのは、データ(Data)が何よりも大事だということを表したかったからだ」
Mandon氏によると、Db2はパブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスで提供するデータベース製品のブランド名の変更に加えて、Db2として統合したデータベース群に「Common Analytics Engine」と呼ぶデータ処理エンジンを採用し、共通のAPIを提供して利便性を大幅に向上させたとしている。
さらにDb2の強化ポイントとして、「Db2のあらゆる機能が試せるツールや簡単に導入できる方式を採用」「基幹システムが必要とする高可用性をさらに追求」「ハイブリッド・トランザクション・アナリティクス処理(HTAP)機能の拡充」などを挙げている。
以前のDB2はMandon氏が言うようにRDBMSとして、Oracle Databaseに対抗する製品としてIBMが普及拡大に努めてきた。今回はその進化とともにリブランディングを図った形だが、どんなものでも長い間使われてきたブランド名を変更するのは、つまりはテコ入れを行ったとみていい。
果たして、IBMはDB2改めDb2に対して、今後も継続的に投資していく考えなのか。会見の質疑応答でそう単刀直入に聞いてみたところ、Mandon氏は「もちろん。今後も一層、Db2のイノベーションに向けて投資を継続していく」と力を込めて語った。今回のリブランディングが奏功するか、注目しておきたい。