Xeon Scalableプロセッサ単体ではないが、一緒に使われる周辺チップのPCH(Platform Controller Hub)もC620シリーズチップセット(開発コード名:Lewisburg)になり、さまざまな機能が追加されている。
C620シリーズは、最大14ポートのSATA3(6Gb/s)、最大14ポートのUSB 2.0、最大10ポートのUSB 3.0、最大20レーンのPCIe 3.0、TPM 2.0などのインターフェースが用意されている。
さらに、10Gbpsのイーサネットが最大4本サポートされた。C620には、IntelのX722イーサネットチップがそのまま入っていることで、10Gpbsイーサネットだけでなく、ネットワークストレージのアクセス負荷を軽減するiWarp/RDMAがサポートされた。この機能により、ネットワークストレージのアクセスが非常に小さい負荷で行える(パフォーマンスもアップする)。

iWarp/RDMAの対応により、Windows Serverのネットワークストレージのパフォーマンスがアップする
またC620には、Intel QuickAssist Technology(QAT)も入っている。QATは、SSLやIPSecなどによる暗号化や認証、公開鍵暗号のRSA、データ圧縮などの機能をハードウェアで処理する。このため、QAT対応のソフトウェアは必要になるが、ソフトウェアで重い処理を行っていた部分をまるごとPCH内のQATに処理を任せることができ、プロセッサは別の処理に集中できる。これにより、システム全体のパフォーマンスもアップする。

QATにより、プロセッサに負荷をかけていた暗号化処理などをハードウェアで肩代わりできる

Intelは今後利用が期待されているFPGAとXeon Scalableを組み合わせるプラットフォームを推奨している

アプリケーションによって、繰り返し必要になる処理をFPGAでハードウェア化し、パフォーマンスをアップすると同時に、プロセッサの負荷を小さくして、システム稼働時の電源消費量を低くする

QATは、暗号化、公開鍵暗号化、データ圧縮などをハードウェアで処理する
ただし、C620の全てのモデルで10GbpsイーサネットやQATをサポートしているわけではない。幾つかのモデルが用意されているため、サーバ購入時にC620のどのモデルが使われているかを注意しておく必要がある。

C620シリーズの機能差。C612は、LANの1GbpsのみでQATもない。将来を考えれば、C626以上のモデルを採用したサーバを利用したい(Intelサイトに掲載されているC620のDatasheetより)