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サーバ向け新プロセッサのXeon Scalable--性能はどう変わったか - (page 3)

山本雅史

2017-08-21 06:00

 こういったデータを見る限り、2012年にリリースされたXeon E5を使用したシステムなら、文句なくリプレースをお勧めする。電力消費量やパフォーマンスなどを考えれば、圧倒的にXeon Scalableに分がある。ただ、単にXeon Scalableのサーバに交換するだけでなく、大容量メモリの搭載や高速ストレージのNVMe SSDの搭載、GPGPUカードの搭載などハードウェアに対する投資も多くなる。また、Xeon Scalableの性能を生かすには、AVX512への対応、QATへの対応など、ソフトウェア側の改修も必要になる。このあたりもコストがかかるだろう。

 OSやハイパーバイザ、データベースなどのソフトウェアの最新版では、Xeon Scalableへの対応が進んでいる。実際、VMware vSphereではストレージ管理のVMDへの対応、Windows Serverではネットワークストレージへの高速アクセスを行うiWarp/RDMAへの対応などが行われている。

 コストに関しては、Platinum8180が1万9ドルと非常に高価だ。このプロセッサで8ソケットを構成すれば数千万円クラスのサーバになってしまうだろう。Platinumでもミドルレンジのプロセッサにすれば(Platinum8164など)5000ドル台になってくる。さらに一つランクを落としてGold61XXシリーズすれば一気に3000ドル台になる。Gold61XXは4ソケットまでサーバしか構成できないが、これでも十分という企業は多いだろう。Gold61XXを使ったサーバなら300~500万円台で購入できるだろう。

 Gold51XXに関しては、コア数の制限、メモリスピードの制限、AVX512の制限など、Gold61XXに比べると制約が大きい。このあたりは、どのような用途にサーバを使うのかを考えてプロセッサを選ぶべきだ。また、Silver41XXやBronze31XXは、支社や支店のブランチサーバ、ワークステーションなどに使われることが多いだろう。

 Gold51XX以下のプロセッサも同様に用途考えて導入すべきだ。RAS機能の有無などを考えると、企業のミッションクリティカルな用途に利用するには、Platinum81XXやGold61XXを選択した方がよい。

 サーバの導入自体は、選定から納入まで時間がかかるため、導入に時間を掛けていると、2018年には第2世代Xeon Scalable(Cascade Lake)がリリースされる。

 第2世代のXeon Scalableでは、Intelが提供している不揮発性メモリのOptane(3DXPointテクノロジー)をメモリDIMMにしたIntel Persistent Memoryへの対応が予告されている。電源をオフにしてもメモリ内のデータを保持できるため、処理途中でサーバをオフにしても、計算途中のデータが保持されているため、再度サーバをオンにすれば、すぐに計算を再開できる(データをストレージに保存する必要がない)。このような特性を考えれば、データベースのデータをメモリに展開し、バックアップだけをストレージに保存する方法を採用すれば、非常に高速なデータベースを構築できる。

 こういったロードマップを見れば、第2世代のXeon Scalableの方が、メリットがあるように感じる(Intelでは、Persistent Memoryが使えるのはCascade Lakeと説明している)。このあたりは、第2世代のXeon Scalableのリリース時期とサーバの導入時期などの比較で考えるべきだろう。

 また、AMDのサーバ用プロセッサ「EPYC」が、筆者の予想よりも高いパフォーマンスと低コストを示している。大手のサーバベンダーからEPYC搭載サーバが出てから、Xeon Scalableと比較してもいいかもしれない。サーバの更新は、サーバ単体だけでなく、ネットワーク ストレージやネットワーク自体などさまざまな機器のリプレースが絡む。導入までの時間が短いクライアントなら必要なタイミングで購入すべきだが、サーバの場合は、1年ぐらいの誤差はそれほど長い大きな延期ともいえない。

 また、Xeon Scalableを導入すると決めても、Xeon Scalableのパフォーマンスを生かすためにはソフトウェアの改修も必要になる。このあたりの開発期間を含めて考えれば、第2世代のXeon Scalableも更新サーバのプロセッサ候補としてターゲットに入ってくるだろう。

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