ブイキューブとレノボ・ジャパンは8月1日、「ビジネスパーソンが安心して働けるセキュアなコミュニケーションスペース」をコンセプトにした、コミュニケーションブース「テレキューブ」を発表した。ブイキューブが販売し、初年度に100カ所、2020年までに5000カ所の設置を目指す。費用は月額5万9800円で、初年度に2億円の売り上げを見込んでいる。

ブイキューブとレノボ・ジャパンが発表した「テレキューブ」
テレキューブは、テレビ会議システムと防音性のある空間スペースを統合したコミュニケーションブース製品。利用者は、プライバシーとセキュリティが保護された環境で、テレビ会議や電話での応対に加え、クラウドサービスを利用する作業も可能だという。
内部にレノボ・ジャパンの超小型デスクトップPC「ThinkCentre M710q Tiny」が設置され、ブイキューブのSaaS型ウェブ会議「V-CUBE ミーティング」やMicrosoftの「Skype for Business」などの各種会議システムと接続できる。
今回のモデルは企業向けとなる。設置場所は、企業のオフィスやサテライトオフィス、商業施設、駅や空港などを想定している。今後はモバイルワーカー向けモデル(屋内や屋外の設置を想定)の提供も予定する。
企業向けモデルは、利用者が限定されるため、施錠や課金の機能はないが、一般向けモデルには空調設備、監視カメラ、防塵・防水など、多くの人が利用しやすい機能を備えた環境を提供するという。
ブイキューブ代表取締役社長の間下直晃氏は、「企業でのテレワーク普及率は11.5%にとどまる。テレワーク導入では、チームのコミュニケーション不足が懸念される」と説明する。実際にはメールやチャットだけでなく、相談や打ち合わせなどのコミュニケーションも必要不可欠だという。

ブイキューブ 代表取締役社長の間下直晃氏
電話やテレビ会議など「話すためのツール」は数多くあるが、モバイルワークの場所は外出先やカフェ、サテライトオフィスなどが中心で、周囲に気兼ねなく会話したり、秘匿性のある情報を取り扱ったりできる場所が少ない。「外で電話している人などを見ても”テレワーク難民だらけ”だと感じている」(間下氏)といい、こうした課題を解決すべく、テレキューブを開発した。
また、将来的にはブース内で、公共サービスや保険、金融サービス、遠隔医療などが受けられるよう構想しているという。「ブース内で脈拍をとって、遠隔で医者にみてもらうようなこともできるかも知れない」(間下氏)
同社は併せて、働き方改革やそのための新たなICT社会インフラの構築を目的にする「テレキューブコンソーシアム」の設立も発表。コミュニケーションインフラを通じて、安心して働ける環境の整備や改善を共同実施する。まずテレキューブを展開しつつ、参画企業・団体と「オープンイノベーションに取り組む」とした。
サイボウズ 代表取締役 社長の青野慶久氏は、「働き方改革は、退職時間に従業員を無理に帰宅させるようなものではないはず。場所にとらえわれず、活動する人が増えるようにしたい」と、コンソーシアムへの参加理由を説明した。
コンソーシアムはNTTドコモやサイボウズ、マイクロソフト、レノボ・ジャパン、リコーなどIT企業のほか、リクルートホールディングス、ノジマ、パソナ、綜合警備保障、大日本印刷、東京電力ホールディングス、森ビル、日本テレワーク協会などが参加している。

会見には、テレキューブコンソーシアムの理事長を務める小宮山宏氏のほか、サイボウズ、マイクロソフト、レノボ・ジャパン、リクルートホールディングス、ノジマ、大日本印刷、東京電力ホールディングス、森ビル、日本テレワーク協会、樹楽製作所などの重役が肩を並べた