NTTデータ経営研究所は、7月20日、AI/ロボットによる”業務代替”に対する意識調査の結果を発表した。
これによると、都市部のオフィスワーカーは、AI/ロボットによる業務自動化の流れのなかでも、「仕事はまるごと消えない。テクノロジ代替は3割程度で、7割の仕事が"手元に残る"」と考えており、「将来的に自分の仕事を代替するのは、テクノロジよりもむしろ"自分以外の人間"」と考える傾向にあることが分かった。
同調査は、4月3日から4月10日の期間で非公開型インターネットアンケートで実施された。対象者は、日本国内に在住し、従業員規模100人以上の企業で勤務する20代~50代の男性及び女性948人。勤務地域は、東京23区、大阪市、名古屋市、福岡市、仙台市、広島市、札幌市で、雇用形態は、正社員・契約社員・派遣社員いずれか。
「10年後、今の自分の仕事を代替している存在がいるとしたら、それは何だと思いますか」という設問に対して、AI、ロボットなどの「自動化テクノロジ」と答えた人は全体の46%。一方で外国人、後進の若者、競合他社などの「自分以外の人間」と答えた人は、全体の73.6%だった。
また、「あなたの現在の仕事の何%が将来的にシステム、AI、ロボットなどのテクノロジに代替されると思いますか」という質問に対する回答は平均で32%だった。自分の仕事がまるごとテクノロジに奪われてしまうと考える人はごくわずかで、「91%~100%の仕事がテクノロジーに代替される」と答えた人は全体の1.9%。自分の仕事が自動化される余地はまったくないと答えた人は、5.4%も存在した。
また、業務別に「テクノロジに代替されると思う」割合を調査したところ、手順や業務ルールが決まった作業は、「テクノロジに代替されると思う」という回答が平均で89.6%となった。その一方で、他者との会話や情報のやりとりなどのコミュニケーションが発生する業務は23.1%で、創造性を要求される業務も「テクノロジに代替されると思う」という回答は31.9%だった。
さらに、「業務へのシステム、AI、ロボットなどによる人間の仕事の代替について、どのように感じますか」という質問には、「非常に楽しみであり効果に期待している」「期待をもっている」などのポジティブな回答をした人は59.4%だった。一方で「強い抵抗を感じる」、「少し抵抗を感じる」などのネガティブな回答は40.6%となっている。
ポジティブな回答した人にその理由をたずねたところ、「人が行うべき仕事に集中できるようになるから」が最も多く、「労働人口の減少を補うことができるから」「新たな職や産業が生まれるから」などが続いた。
ネガティブな回答をした人が挙げた理由のトップは、「失業者が増え、経済の悪化につながると思うから」で、次いで「臨機応変に対応する能力がないと思うから」「心の通ったサービスが受けられなくなるから」と続いた。