「データ管理に関する課題を全方位的に解決したい」
(ベリタステクノロジーズ 高井隆太 常務執行役員)
ベリタステクノロジーズの高井隆太 常務執行役員
ベリタステクノロジーズが先頃、ソフトウェアディファインドストレージ(SDS)製品に関する記者説明会を開いた。同社テクノロジーセールス&サービス本部で常務執行役員を務める高井氏の冒頭の発言は、同社が現在推進している基本戦略「360度データ管理」について語ったものである。
ベリタスは会見で、SDS分野に関する戦略を説明するとともに、コンテナ化されたアプリケーションに対して最適なSDS製品と銘打った「Veritas HyperScale for Containers」を国内で提供開始することを発表した。その詳しい内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは高井氏が語った360度データ管理の考え方に注目したい。
同氏によると、まずベリタスの事業の方向性として、データやアプリがどこへ移動してもその安全性を確保する「情報の保護」、パフォーマンスや規模などを確保する「情報の可用性」、可視性や統制によってリスクを軽減する「情報管理のための洞察」の3つを柱とした「エンタープライズデータ管理」というキーワードを掲げている。
そして、このエンタープライズデータ管理を実現するのが、360度データ管理である。同氏はこれを「データ管理に関する課題を全方位的に解決する戦略」と説明している。
360度データ管理は図に示したように、「データ保護・活用」「データ/アプリの移行性」「ストレージ最適化」「データの可視性」「コンプライアンス対策」「事業継続・予測可能な回復力」といった6つの課題に対し、それぞれ個別に対処するのではなく包括したソリューションを提供していこうという考え方である。
もともとは同社の主力製品であるバックアップソフトウェアの最新版「NetBackup 8.0」を2016年12月に発表した際に打ち出された基本戦略で、今回のSDSの話は6つの課題のうちのストレージ最適化に対応したものとなる。
あらためて同社の強みは、「ヘテロジニアス環境でのデータ管理」(高井氏)にある。ヘテロジニアスとは「異種混在」を意味するが、最近ではそれがオンプレミスだけでなく、クラウド(パブリック/プライベート)やデータの種類(構造化/非構造化)、オープンソースといった要件も加味して対処しなければならなくなってきている。それを踏まえたうえで、360度データ管理を打ち出しているところに同社の真骨頂があるといえる。
この分野は、とかくテクニカルな話ばかりになりがちだが、360度データ管理が企業のビジネス価値にどう貢献するのかについても、ぜひ継続して発信していってもらいたい。
「360度データ管理」の概要