ノーベル賞の山中教授が考える「マネジメント」

怒賀新也 (編集部)

2017-09-16 07:30

 ドリーム・アーツは8月、年次ユーザーカンファレンス「DreamArts Executive Conference」を開催した。ゲストスピーカーに、京都大学iPS細胞研究所所長・教授の山中伸弥氏、指揮者でトーンキュンストラー管弦楽団音楽監督の佐渡裕氏を迎え、モデレーターを社長の山本孝昭氏が務めたパネルディスカッションを開催した。

 偶然ながら個人的に親しくしているという山中氏と佐渡氏。2016年10月20日に53歳で亡くなったラグビー元日本代表監督の平尾誠二氏を合わせた3人は、京都のバーでしばしば深夜まで交友していたという。それもあってか、かなりリラックスした雰囲気の話になった。


京都大学iPS細胞研究所所長・教授の山中伸弥氏、指揮者でトーンキュンストラー管弦楽団音楽監督の佐渡裕氏(右)

 山本氏が掲げたキーワードは「マネジメント」。山中氏は、やや固いという一般的なイメージとは異なり、さまざまな場面で「ぼけ」を入れる気さくなキャラクターだった。X JAPAN YOSHIKI氏と米ITベンダーの「有名な経営者」に京都のそば店に急きょ呼ばれ、手で「X」のポーズをしたことを、Twitterで公開した際のエピソードを話した。

 山本氏が「山中さんのXはやや切れがないように見えます」と指摘。これに対して山中氏は「実はこの時はこのポーズが何を意味しているのかよく知らなかったのです」と返答し、会場の笑いを誘っていた。

X JAPAN YOSHIKI氏との写真をTwitterにアップ
X JAPAN YOSHIKI氏との写真をTwitterにアップ

 マネジメントについて、「上司」としての立場で学生と接する際に参考にしている書籍として、日本シンクロチーム・ヘッドコーチ井村雅代氏が著した書籍『愛があるなら叱りなさい』だという。

 「後片付け(データ整理)のない実験などをした際は必ずしかるようにしている」(山中氏)

 最近こそあまりしからなくなってきたというものの、この本を見つけると、山中氏の研究室の学生がこわがるとのエピソードを披露した。

 興味深いのは「マネジメントの方法は生徒による」すなわち相手によるとの指摘だ。高校ラグビーの全国大会である「花園」には、各県基本的に1校しか出場しない。ある県に、常に全国大会で上位に進むチームと、県大会の決勝で必ずそのチームに負けてしまう、しかしながら、いい試合をするという県立高校のチームがあるという。

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