日本女性は頑張りすぎる?
自分が若い頃に知っていたらと思ったことをアドバイスした、というラテン系実業家Nely Galan氏。
オープニングのゼネラルセッションに登場したのはNely Galan氏、”セルフメード(self made)”をテーマに女性たちを励ました。
Galan氏はキューバの貧しい移民で女性は結婚という価値観を持つ両親に育てられた。成績優秀、奨学金で進学したが、ある日学校の体制に疑問をもち雑誌「Seventeen」に送った記事がきっかけで、学生ながらゲストエディターとして起用された。その後もFOXのリアリティシリーズ「The Swan」を手がけるなど、エンターテインメント業界で活躍した。
Galan氏は自分の挑戦体験を笑い話のようにシェアしながら、「白馬の王子はいない」「失敗と恐れを味方につけよう」「痛みこそ自分の本物のブランドにつながる道だ」「まずは自分を愛し、自分を選ぼう」「靴を買うなら家を買え」などとアドバイスした。例えば、会場から”プレゼンで緊張する”という意見が出ると、「演劇のスキルは役に立つ。誰かの声になりきって堂々と話すことができると思う」とGalan氏。
「これからの時代は、ラテン、アジア、アフリカなどの女性が購買、ビジネスで大きな役割を握っている」とGalan氏、新しい市場のけん引役として女性たちに自分の人生を設計する態度の大切さをアピールした。
イベントに参加したフリーランスマッチングサービスWaris(ワリス)の共同創業者兼代表取締役、田中美和氏は、「自分を選ぶという言葉が印象的だった。私を含めて日本の女性は控えめ。自分自身がプロフェッショナルであるために、まずは自分をケアしようというアドバイスがよかった」と語る。
Warisに登録する女性の7割が子供を持つ母だが、自分より子供、家庭を優先させる傾向が強いという。「全部自分がやらなきゃ、完璧にやらなきゃと無理している」と田中氏、今回の学びを自分、そして登録する女性たちにも反映させることができれば、と願う。
参加者の一人、Fiona Blades氏は、マーケティング、広告業界での知識を生かして、マーケティングのインパクトを測定するMESH Experienceをロンドンで創業、ニューヨーク、ブラジル、シンガポールにも拡大した。Delta Airlines、LGなど約30社を顧客にもち、11年目を迎えた今年、オーストラリアでもサービス開始するなどさらなる拡大を図っている。
野心的な女性起業家たちの中にあって、日本からの参加者はどちらかというと控え目だ。先述の田中氏のほか、遅延型アレルギー検査の先駆者的存在アンブロシアを10年前に創業した志賀惠子氏、「いいお医者さんネット」などデジタルを駆使して医師と患者を支援するキュアグレースを創業した武臣ゆみ氏が参加したが、共に大きな会社を作ろうと思って起業したわけではない。
大手企業に勤務していても女性が長期的に勤めても地位が上がらない、居づらいなどの環境から、自分の会社を持つに至ったという共通背景を持つ。DWENに初参加した武臣氏は、参加者たちの「会社を大きくしよう、儲けよう」という直接的な表現に驚きながらも、「創業10年目にして、もっと儲けよう、経営をしようと決意しました」と語った。
日本からは3人が参加。中央はキュアグレースの武臣ゆみ氏、左はアンブロシアの志賀惠子氏、右はMESH ExperienceのFiona Blades氏。