デザインルールは8月10日、世界標準のバージョン管理・ファイル共有ソフトであるgitの操作を自動化処理する技術を開発し、同技術を搭載したgitクライアント「PullReqMaker」を無料公開すると発表した。
PullReqMakerを利用することで、ユーザーがPC上でファイルを保存するだけで、一連のgit動作を自動完了できる。gitは、複数の人が編集にかかわるファイルの変更差分を管理する上で、その利便性や高速性が高く評価されている。一方、操作が難解なために一般のホワイトカラー職(非エンジニア職)にはほとんど使われていなかった。PullReqMakerは、営業職や企画職のような非エンジニア職向けの世界初のgitクライアントとして提供される。
デザインルールでは、Dropboxなどのファイル共有サービスでは、詳細な作業履歴が保存できない、自動的に反映されてしまうなど、細かな文書管理に限界があるとし、git技術を応用することでこうした課題を解消できるとしている。
Wordファイル上で ”はじめに” を ”背景と目的” に修正したPullReqの例
同製品では、ファイル保存操作のみで変更差分(PullReq)の可視化ページやバックアップを自動作成し、共同作業者の作業履歴/変更差分の把握が容易になる。Microsoft Office、PDFなどの差分が把握しにくい文書も独自技術でテキスト差分を可視化できるようになっており、git操作履歴による作業の進捗把握、過去履歴を可視化する。
デザインルールでは、主なユーザーとして、提案書や報告書、論文、各種原稿などの重要文書の修正・校正を効率的に行いたい、共同作業者に依頼した業務の進捗をリアルタイムで把握したい、Excelデータの変更履歴を可視化したいといったニーズを持つ人を挙げている。
現在、同製品は、複数の大学の研究室で、卒論などの論文指導の補助管理システムとして実験利用しており、この他の利用シーンとしては、リモートワークの成果物共有・管理や、遠隔地のワーカーの成果を自動で共有することなどを挙げている。