海外コメンタリー

世界各地のミラーリング拠点でサイバー攻撃に備える--IT先進国エストニアの挑戦

Kalev Aasmae (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部 2017年08月10日 06時30分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 エストニアは2014年に、異国の地の安全なデータセンター内に、データベースやサービスといった基幹システムの複製を運用できる「データ大使館」を構築するという構想を発表した。

 それから3年経った今、空想の域を出ないかのように思われたその計画が実現しようとしている。エストニアとルクセンブルクとの間で交わされた正式契約により、ルクセンブルクにあるデータセンターで運用されるエストニアの国家システムの複製はすべて、外交特権が保証されることになる。

 エストニア経済通信省のエグゼクティブスペシャリストであるMikk Lellsaar氏は、米ZDNetに対し、「まず、ルクセンブルクの国立データセンターを利用するために、リース契約とサービス契約を結ぶことになる。データ大使館を構築し、実際の運用に向けて設備を整えるのは、それからだ」と述べている。

 「最初のデータ大使館が運用可能になるのは、おそらく2018年初頭だろう」(Lellsaar氏)

 Lellsaar氏によると、ルクセンブルクに設置するデータ大使館では、同国の財務情報システム、年金保険台帳、個人情報登録簿、企業登記簿、地籍、土地台帳など、多数の重要なデータシステムをミラーリングする。

 Lellsaar氏は、「ルクセンブルクのデータ大使館は試験的プロジェクトであり、さらに開発を進め、ほかにもデータ大使館を新たに設置するかどうかは、このプロジェクトの成果次第」と説明している。さらに同氏は、データ大使館を構築する上で最も重要な前提条件は、データセンターの置き場所となる国がエストニアと長期にわたり、友好的な信頼関係にあるかどうかだと、付け加えている。

 同氏は、「データセンターを所有する国が、保存されるデータの外交特権を保証する必要がある。またティア4やISO 27001に適合するなど、高レベルのセキュリティ認証を取得していなければならない」と述べている。

 異国の地で重要な情報を複製するとなると、さまざまな課題が伴うのは言うまでもない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化