企業向けのテクノロジはコンシューマー向けのテクノロジに後れを取っている部分があったものの、この頃ようやく追いついてきている。以下では、デジタル変革を加速させるうえで役立つ有望なテクノロジをいくつか紹介する。
企業向けのテクノロジに携わる人々のほとんどは、われわれが指数関数的に変化していく時代に生きており、テクノロジ関係の大半のトレンドは昔に比べてずっと速いペースで変化し続けているということを実感しているはずだ。IT関係のメディアは、この業界がテクノロジのイノベーションで満ちあふれていることを示す統計データを毎日のように発表している。
企業は現在、極めて競争の激しい環境に置かれているが、その運用環境はどこも似たようなものとなっており、顧客から見た選択のしやすさも同程度という状況に直面している。そのようななか、後れを取ることなく、デジタル化に関連するさまざまな武器を生み出すというプレッシャーはかつてないほど大きくなっている。
しかし、このプレッシャーはどの程度ITリーダーらによってもたらされているのだろうか?またどの利害関係者からもたらされているのだろうか?そして、企業はそのプレッシャーにどのように対応しているのだろうか?
実務家の観点から見てさらに重要なのは、ITの近代化やデジタル変革に向けた取り組みを加速するうえで、台頭しつつあるどのようなツールやテクノロジが利用されているのかという点だ。

2017年のITリーダーは、俊敏な動きを見せるべきだという「非常に強いプレッシャー」にさらされている
筆者は、ITリーダーらがどのようなプレッシャーにさらされているのか、そしてどのようにそうしたプレッシャーに対処しているのかを把握するために、優秀な実務家のなかから、この業界で企業をけん引していると筆者が考えているテクノロジに詳しい人物を50人あまり選んで話を聞き、彼らが俊敏性を高めるために注力しているITイニシアティブをより深く理解しようとした。なお、彼らのほとんどは大企業の最高情報責任者(CIO)であり、筆者が既成概念の枠を押し広げていると考えている最高技術責任者(CTO)や最高データ責任者(CDO)、エグゼクティブバイスプレジデント(EVP)も数人含まれている。
業界をリードする企業で最先端の仕事をしているリーダーを選んだ意図は、彼らが2017年に直面しているものごとや、その対処を示すことで、一般的な企業が2018年以降に直面するであろうものごとに対してより余裕をもって準備できるようにするところにある。