踊れど進まず--“データ主導経済”への課題解決策は「オープン」

大友 翔一(東京電力ホールディングス株式会社 システム企画室) 2017年08月30日 07時00分

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 昨今、省庁や一部企業を中心とした取り組みの中に、「データドリブン」「オープンデータ」が大きなキーワードとして挙げられるのを目にすることが増えてきた。その社会的な意義や有用性はどのようなものであるか。本稿では、実際に筆者の所属する東京電力が公開しているオープンデータ「でんき予報」と、「気象庁の公開するデータ」を用いて解析しながら考え、今後その重要性が高くなるであろう人工衛星のデータとその利用可能性にも言及する。

 同時に、データドリブンの戦略が内包する「(有用性が確実視されながらも)データの共有がなぜ進まないのか」など、組織でデータ活用を前に進める意義について考える契機としたい。

 解析の手法は機械学習などAIの一手法であるサポートベクターマシン(support vector machine:SVM)を用いた。

データを共有し、活用する


 ビッグデータやオープンデータの盛り上がりと同時に、「社内のデータを資産として活用して、新規事業を立ち上げたい」という話を耳にすることが増えた。平成29年の情報通信白書のテーマが「データ主導経済」であるように、そういった試みに挑戦する企業も少なくないと思われる。ところが、これが遅々として進まないという話もよく聞く。

 データ分析が進まない要因は何か。筆者が経験する範囲では、データやデータマネジメントシステムの運用が、組織構造やプロジェクトに強く従属し、属人的な管理が恒常化することが多かった。結果、大きく二つの問題が起こりがちである。

 一つはガバナンスにかかる諸問題で「データの管理主体や主権者が不明瞭なため、データを共有できないこと」である。

 これは、データを用いたビジネスを行う際に、データの権利関係の取り扱いや利益配分、あるいは新規事業を立ち上げた際のレベニューシェアの比率を決定することをさらに煩雑にする。

 もう一つはデータの規格や規約などの問題、「ある担当者が、何らかの理由によりその部署やプロジェクトを離れた際に、適切なデータの取り扱い方が分からなくなること」である。

 これは、データの解析業務にあたる際に、何をどのようにしたいのか、してほしいのかという点での意思疎通の齟齬を招きやすくなる。

 そこで、まずデータ共有を前に進める方法を、行動経済学(心理学的に観察された事実を数式を用いて考える学問)の観点から 「トム・ソーヤの冒険」を例にして、説明したい。

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