日本オラクルの桐生卓 常務執行役員
「ERPクラウドといえばオラクルと評価していただけるようになってきた」
(日本オラクル 桐生卓 常務執行役員)
日本オラクルが先頃、ERPクラウドサービス「Oracle ERP Cloud」の最新版「R13」を国内で提供開始すると発表した。同社の常務執行役員でクラウド・アプリケーション事業統括ERP/EPMクラウド事業本部長をを務める桐生氏の冒頭の発言は、その発表会見で、ERPクラウド分野でのオラクルの存在感が高まってきていることを強調したものである。
桐生氏によると、Oracle ERP Cloudの最新の概要は図のようになっており、R13ではとくにSCM(サプライチェーン管理)に関する機能を大幅に拡充したという。
図:Oracle ERP Cloudの最新の概要
同氏はまた、米Gartnerが先頃まとめた「コアファイナンシャルマネジメントのクラウドサービス」におけるマジッククアドラントで、Oracle ERP Cloudの中核となる「Financial Cloud」が最もリーダー的ポジションとしての評価を得たことを説明した。
さらに、日本でも「広範囲な業務領域にわたってERPクラウドの案件が増加している」と強調。例えば、大手企業においてはSCMの購買機能を軸とした海外拠点展開の大型案件が具現化。中堅中小企業でも予算管理をきっかけに採用が加速しているという。こうした状況から、桐生氏は「グローバルだけでなく、日本でもERPクラウドといえばオラクルと評価していただけるようになってきた」と胸を張った。これが冒頭の発言である。
これまでのオンプレミス向けのパッケージでは、グローバルでも日本でも競合がひしめいていたオラクルのERPだが、クラウドサービスへの移行は存在感を高める格好のチャンスだ。
桐生氏はそのアドバンテージについて、「競合他社もクラウドサービス化を進めているが、実際にはオンプレミス向けのパッケージをそのままクラウドに対応させてホスティングしているケースがほとんどだ。当社はそうではなく、クラウド向けに全く新しく作り直している。この点をご評価いただいて採用が加速しているという手応えを感じている」と語った。ERPクラウドは他のサービスへの波及効果も大きいとみられるだけに、オラクルはここが正念場という意識を強く持っているようだ。今後の展開に注目しておきたい。