住友林業のRPA活用--情シス主導で導入する意義 - (page 2)

飯田樹

2017-08-14 07:00

試験販売から本格展開へ

 パイロット版を終え、同社は「いくらで、どのような形態ならロボが売れるのか」「保守や監視、SLA、ロボットが止まったときの問題」を検証する目的の試験販売に取りかかった。

 そこで、グループ会社の協力を得て、「特定の商品の在庫管理」で試験販売を行うことになった。

 ほぼExcelで行われていた作業で、最後は本部の担当が1人で3日間くらいかけてチェックしていたものだ。Excelではミスが起きやすかったが、費用対効果が見込めないことから、システムを作れなかった。

 まずはロボット化をする個別作業箇所と仕様を洗い出し、ロボットの製作時間を見積もった。ロボットは同社が制作し、メンテナンス費を含めて、毎月3万円で貸し出すことになった。

 ただし、同社の投資を回収するため、3年間の利用拘束期間がある。成田氏は、「費用対効果が分かりやすいため、システム化しづらいバックオフィスの業務にも向いているのではないか」と話した。


<ロボット試験販売の流れ(成田氏投影資料より)>

 2016年の後半からは、住友林業グループへの本格導入を始めた。「作業効率化」をサブテーマに、業務の中にある特定の作業をロボット化するという切り口だ。「働き方改革」の機運や、「RPA」という言葉の普及も後押しになったという。

 業務全体をロボット化する場合は、コンサルティング会社による業務分析などが必要になるが、一部の作業を切り取る形であれば、ロボット化は簡単だという。

 また、業務改善のコンサルティングをするのではなく、現状の業務サイクルの部分最適から着手する形を取ることで、対象業務に詳しくない担当でも聞き取りができるそうだ。


<現状の業務スタイルの部分最適から、ロボット化していくアプローチ(成田氏投影資料より)>

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