住友林業のRPA活用--情シス主導で導入する意義 - (page 3)

飯田樹

2017-08-14 07:00

情シス主導で導入する意義

 続いて成田氏は、情報システム部門がRPAの中心となることのメリットとデメリットを紹介した。

 メリットとしてはまず「セキュリティ」が挙げられる。

 例えば、会計システムにログインしてデータを取るロボットを作った場合、動かす人は誰にするかなど、セキュリティの問題が出てくる。

 それを「ある程度、セキュリティに詳しい情シスが押さえるのは非常に良いこと」だという。

 また、情報システム部門であれば、組織変更などに耐えられる「メンテナンス性」を意識してロボットを制作できる。

 そのほか、ツールを組み合わせたり、IT資産としてITガバナンスの対象にできることや、インフラの負荷の状況などを監視できるメリットもあるという。


 一方、デメリットとしては、ユーザーが自分で作ることに比べて、情報システム部門に依頼する場合は「気軽に導入できない」「制作コストが高くなるイメージがある」などが挙げられる。

 また、システム担当者がロボットではなく、自分の慣れたツールに走るというリスクもある。そのため同社では、「モノを作るのではなく、サービスを提供する」という方針で、ロボットのレンタル化を行なっているのだそう。

ツール選定のコツ

 最後に同社がどのようなツールを組み合わせて作業を効率化しているかを成田氏は紹介した。

 Excel作業の効率化については、ウェブアプリケーションで動くデータ処理基盤の「xoBlos」を使っている。RPA(BizRobo!)はウェブアプリケーションとの連携が得意なため、xoBlosで作ったものをRPAに引き渡す方式だ。

 単純作業やチェックもBizRobo!が行い、文書の保管やデータ管理は統合データ管理ソフトの「eBASE」を使っている。

 成田氏は「働き方改革の有効なツールとして、これからRPAを住友林業グループに幅広く適用していきたい。住友林業グループの取引先や販売店に、RPAを幅広く使っていただきたい」と締めくくった。

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