普遍性を担保するための多様性--AIに読ませるデータが「虹色」である必要

日塔史

2017-08-23 07:00

 現在世界の企業時価総額ランキングをみると、1~5位をおなじみの米国のIT系企業が独占している(執筆時点の8月9日現在)。例えばこちら(Dogs of the Dow)では順番に(1)Apple(2)Alphabet(Googleの持株会社)(3)Microsoft(4)Facebook(5)Amazonだった。

 2017年に入ってからFacebookとAmazonの2社が現在6位のBerkshire Hathaway(投資家バフェットが率いる持株会社)をしのぎ、少なくともここ数カ月間は象徴的な顔ぶれとなっている。

 頭文字をとってFAMGA(GはGoogle)、GAFAM(仏語圏?)、GAFA(Microsoftがない)、FAANG(NはNetflix)などさまざまな略称で呼ばれており、メディア報道において「ビッグ5」として株式市場での強さを報じるものが目立っている(略称の決定打はまだないようだ)。

 共通するのはざっくり「IT企業」ということだが、もう少し考えると「インターネットを軸としたプラットフォーム企業であること」「世界中に膨大なオンラインユーザーがいてその一次情報としてのビッグデータを保有し活用していること」「そのデータを強みにしてさらに強くなるためにAIやロボティクスの研究開発に力を入れていること」などをすぐに思いつく。

 しかし今回注目したいのは、この5社が「地理的に米国西海岸に集中していること」だ。Apple、Alphabet、Facebookの3社がカリフォルニア州(シリコンバレー)、Microsoft、Amazonの2社がワシントン州(シアトル)に本社があり、これだけ地域性が明確だとその特殊さに思いをはせずにはいられない。


Apple、Alphabet、Facebookの3社がカリフォルニア州(シリコンバレー)、Microsoft、Amazonの2社がワシントン州(シアトル)に本社がある

 筆者は、この6月下旬に初めてサンフランスコとシリコンバレーに行く機会があった。たった1週間の滞在で西海岸を語る資格があるかは甚だ疑問だが、素朴に振り返って最も印象に残っているのは「街中に(LGBTの尊厳と 社会運動を象徴する)レインボーフラッグがあふれていたこと」だ。

 6月26日の有名なゲイパレードの直前だった影響もあるが、Google、Facebook、IBM(Watson Westなど)と大企業を訪れたところ、その構内外問わずあらゆるところがレインボーカラーに染められていた。

 Facebookのキャンパスで食べたアイスクリームも虹色。そのリベラルな姿勢に強い意志と力を感じることとなったが、それが現在の米国西海岸の強さに通底しているように思えてならない。 


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