日本IBMは8月9日、統計解析ソフトウェア製品の最新版「IBM SPSS Statistics 25」を発売した。データの「t検定」、相関検定、線型回帰、一元配置分散分析などのベイズ統計機能を提供する。
最新版では、新しいデータ分析手法を活用するための分析機能の強化とデータ分析の生産性を高めるための機能が強化され、ユーザーの適切な意思決定を支援するという。具体的には、統計解析アルゴリズムの新機能としてベイズ推論を搭載した。
ベイズ推論はアカデミックやビジネスを問わず、近年注目されているアルゴリズム。事象が起こると考える確率(事前確率)を、その後に観測された事実によって、より客観的な確率(事後確率)を推定していく。SPSS Statistics 25では、二項検定、データの「t検定」、相関検定、線型回帰、一元配置分散分析などの機能を提供する
またユーザーのリクエストに基づき、従来の統計機能も強化。例えば、混合モデルにおける経験最良線形不偏予測量の利用や、時系列データの共変量設定も可能となり、独立および対応する現実データを分析に取り入れやすくなったという。加えて、一般線型モデルにおけるプロファイルプロット内のエラーバーの表示や、不均一分散性検定、ロバスト標準誤差などを取り入れた分析が搭載された。
さらに、データ分析の生産性を高めるため、他社アプリケーションとの連携やレポート機能も強化。図表ビルダー機能を刷新し、SPSS Statisticsで作成したグラフをMicrosoftグラフィック・オブジェクトとして利用することができるようになった。
SPSSは社会調査の統計解析ツールとして1968年にスタンフォード大学で開発され、40年以上にわたって改良が続けられている。