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IT部門の「2025年問題」

待ち受けるのは光か闇か、IT部門に贈る3つの提言 - (page 2)

石橋正彦

2017-09-08 06:00

IT部門に贈る3つの提言

予想される社会情勢:超高齢化社会が本格化(人口としての2025年問題)

 ここでの「2025年問題」とは、団塊世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達することにより、介護や医療費など社会保障費の急増が懸念される問題でもある。

提言:「2025年問題」は、IT業界にも波及する。「2025年のIT部門のあり方」として、超高齢化社会が本格化することを考えるべき。

 IT業界でも平均年齢が上がり過ぎ、一方で平均賃金が下がると予想される。これまでIT業界は、外資の参入が多く、賃金面では外資の賃金を受けることができる恵まれた環境であったことは否めない。

 しかし、国内のIT要員は海外とは異なり、「無職の期間」をいやがる傾向にある。海外では、1年間無職であるIT要員もいるし、彼らは罪悪感も持っていない。だが、日本では近所や周囲の目が厳しく、「無職の期間」が生じない働き方をしてしまう。

 2025年に60歳以上の再雇用者となる人材は、「無職の期間」が生じる前提で、今から「働き方」を改革した方が良い。

予想される社会情勢:東京五輪後に予想される経済不況

提言:2025年はセキュリティ要員の単価が下落するだろう。むしろ、2017年現在のセキュリティ要員は貴重な価値があり、単価も高い。技術力で競う前に、単価が高い要員を育てるべき。

 2020年の東京五輪に向けて、大量のセキュリティ要員が育成されることは良いが、東京五輪後の2025年に予想される経済不況を想定しておくべきであり、「人材のだぶつき」から至る経済不況も意識しておくべきだ。

 また、セキュリティを含むIT業界全般について、東京五輪後の経済不況を想定しておき、「駆け込み特需」を出さない(特需を待たない)よう、発注側が計画的な投資を行うべきである。

予想される社会情勢:企業のデジタル変革が節目(AI、ロボティクス、FinTechなどの実用化が軌道に乗る)

提言:IoT/FinTech/AI/ロボティクスなど2017年当時に脚光を浴びたテクノロジが成熟化し、バンドル化によって無償で使える時期が来るため、採算を意識するべき。

 IoTやFinTech、AI、ロボティクスなどが実用化されると、「IoTでいくら」「FinTechでいくら」「AIでいくら」など、投資金額が明確にならずに使われ、逆に投資回収後の利益の案分が難しくなる。そのため、「企業のデジタル変革」が節目を迎え、改めてIoT/FinTech/AI/ロボティクスの採算論が過熱するだろう。

 情報システム部門はこの採算論の過熱に備えて、最悪の場合に、システム(サービス)の撤退ができるよう、可能な限りITのソフトウェアやサービスはクラウドを利用し、「月払い」に徹しておくことも重要である。これまでの投資のように「オンプレミスで最低でも5年償却とし、5年間は撤退できない」というような縛りは設けない。採算が悪ければ、即撤退できる「契約ありき」の実用化が望ましい。

 このように、2025年におけるIT部門を取り巻く環境の変化は、現在の事象から予想することが可能だ。次回は未来の新しい姿に向けて、IT部門がこれからの8年間に実践すべき行動を紹介する。

石橋正彦
大宣システムサービス(dss) 執行役員 リサーチ&コンサルティング アナリスト
日本ユニバック(現日本ユニシス)、ベリタスソフトウェア(現ベリタステクノロジーズ)、ベリングポイント(現PwC)にて金融系システムの開発や災害対策、バックアップ、セキュリティ監査などを担当。ガートナージャパンでは11年にわたり、セキュリティ分野のリサーチおよびアドバイザリーを手掛ける。SI、ベンダー、リサーチ機関での豊富な経験を生かし、現在は大宣システムサービスのセキュリティ戦略や顧客企業へのコンサルティングサービス、本寄稿のような「(40歳以上を中心とした)IT業界のメンタルヘルス」を担う。同社は現在、BPOやITサービス分野でAIやアナティクスを自前主義で構築し、2025年に向けて採算の取れるプライベートクラウドを目指している。

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