CoreOSは米国時間8月17日、「CoreOS」とコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を統合した、エンタープライズ向けのDevOpsプラットフォームの最新版である「Tectonic 1.7.1」をリリースするとともに、同プラットフォームが「Microsoft Azure」上でも利用可能になったことを発表した。この最新バージョンによって、大企業は整合性のある単一のKubernetesプラットフォームをハイブリッドクラウド環境で利用できるようになる。
CoreOSはKubernetesの最新バージョンを使用するのが常となっており、Tectonic 1.7.1には「Kubernetes 1.7」の最新機能が含まれている。Kubernetesの主要開発企業の1社でもあるCoreOSは、同オープンソースプロジェクトの最新成果を取り込むうえで理想的な立場にある。
Tectonicの新機能には以下が含まれている。
- 純粋にアップストリームのKubernetesをワンクリックでアップグレードする機能:Tectonicは、システムを停止させずにKubernetesを1.6.7から1.7.1にアップグレードできるため、自動運用を可能にする唯一のエンタープライズ対応プラットフォームとなっている。
- 監視アラート:Tectonicは今回、オープンソースの「Prometheus」プロジェクトの成果を利用することで、あらかじめ設定したアラートを発生できるようになった。これにより、顧客は自らの希望する通知チャネルを設定したうえで、自社のKubernetesクラスタを容易に監視できるようになる。また今回のリリースでは、DeploymentsとDaemonSetsのローリングアップデートに関する独自アラートも導入されている。こういったツールによって、アプリケーションのオーナーは配備の進捗や、スケールアウトの状況を可視化できるようになる。
- Azureへの対応:顧客はKubernetesのワークロードをAzure上にセキュアかつ効率的に配備できるようになる。
- ハイブリッドクラウドへの対応:「Amazon Web Services」(AWS)やAzure、ベアメタルクラウド上で利用できる、複数のクラウドをまたがったKubernetes環境を実現できる。
- ネットワークポリシーのサポート:「Project Calico」の成果であるネットワークポリシーをサポート(アルファ版)することで、セキュリティ機能と、ポッドに到来するトラフィックの統制機能を強化できる。
CoreOSは、同社がKubernetesの更新を容易にする自動ソフトウェアアップグレード機能を企業に提供する初のベンダーだと述べている。Tectonicのユーザーは、ワンクリックでKubernetesのバージョンをアップデートできるようになる。
CoreOSでTectonicを担当する製品マネージャーのRob Szumski氏は声明に「Azure上のTectonicを使用し、初めのうちからKubernetesインフラを正しく構築し、配備サイクルを高速化することで、時間とコストを節約できる。ハイブリッドクラウドの配備を可能にする能力により、インフラの責任者はユーザーをクラウドコンピュートやクラウドサービスにロックインしないようなプラットフォームが持つ自由と柔軟性を手にできる」と記している。
MicrosoftでAzureのコンテナ担当リード製品マネージャーを務めるGabriel Monroy氏は、「われわれはMicrosoft Azureを、大企業やISVが必要とするアプリケーションを構築、管理するための最もオープンで柔軟性に優れたクラウドにしたいと考えている」と述べるとともに、「Azure上でTectonicが利用できるというのは刺激的とも言える進歩だ。これにより顧客は、Azure上でのアプリケーションの構築や管理を行うためのワークロードの容易な管理やスケーリングを実現するために、CoreOSのエンタープライズレディなコンテナ管理プラットフォームを利用できるようになる」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。